札幌市教委の長谷川教育長 高い倫理観もつ職員に 新採用者へメッセージ(札幌市 2021-04-02付)
札幌市教委・長谷川雅英教育長
札幌市教委の長谷川雅英教育長は、令和3年度新採用職員に対し、高い倫理観をもち、豊かな人間性や社会性を備えた学校職員になることなどを求めたメッセージを寄せた。
市教委は、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、1日の新採用職員辞令交付式を中止。対象者には、各園長・校長が教育長代理として辞令を交付、メッセージを代読した。
メッセージの概要はつぎのとおり。
皆さんは、コロナ禍で異例づくめの厳しい採用試験を突破し、本日から、札幌市の学校職員としての人生を歩んでいくことになる。まずは、札幌市に来られたことを大歓迎する。
札幌市が求める教員像については、「教育者として、強い使命感・倫理観と、子どもへの深い教育的愛情を、常にもち続けている教員」「教育の専門家として、実践的指導力や専門性の向上に、主体的に取り組む教員」「園・学校づくりを担う一員として、地域等とも連携・協働しながら、課題解決に取り組む教員」と示されている。
こうした姿勢は、教員に限らず、子どもたちの教育に携わるすべての学校職員に求められるものであり、常日ごろ、意識していかなければならないことである。
そこで、本日から、学校職員として職務に当たる皆さんに、お願いしたいことがある。
1点目は、高い倫理観をもつこと。
最近、札幌市の教職員の不祥事が多発している。未来を担う子どもたちを直接教え育てるという崇高な立場にある学校職員には、他の職業に比べ、より高い倫理観が求められている。
子どもたちのよき手本、目標として、勤務中はもとより、私的な時間においても、法令や条例の順守をはじめ、様々なルールやモラルをしっかり守るということが重要。
万が一にも、地域や保護者、何より子どもたちからの期待、信頼を裏切るような行為を行うことのないよう、日々の職務、生活に臨んでほしい。
2点目は、豊かな人間性や社会性を備えた学校職員であってほしいということ。
「教育は人なり」と言われるように、学校教育の成否は、職員一人ひとりの総合的な人間力に負うところが大きいと言える。
これから皆さんは、長きにわたり学校職員として勤務していくことになる。当然のことながら、様々な課題、うまくいかないことや、悩み苦しむこともあろうかと思う。
しかし、どのような場面であっても、「子どもたちのために」という気持ちを忘れないでほしい。
そして、自らの力だけで解決策を見出そうとするのではなく、上司や同僚の職員をはじめ、保護者、地域の方々からの力を借りながら、課題解決に取り組んでほしい。
そうした数多くの経験を積み、自己研鑚に励むことによって、自らの人間性や社会性に磨きをかけ、人間として、学校職員として成長し続けてほしいと思う。 3点目は、「凡事徹底」の実践について。
これは、言うまでもなく、平凡を非凡に努めるということ。平凡なことを平凡にではなく、徹底して行うためには、物事を常に追及し続けていかなくてはならない。
与えられた仕事を漫然と進めるのではなく、その内容や進め方はこれでよいのか、間違っていないか、本当に必要なものなのか、常に「なぜ」という言葉を頭にもちつつ、しっかりと職務に当たってほしい。
以上3点、いずれも簡単なことではないと思うが、これらのことは必ず、皆さん自身の成長、子どもたちの成長、札幌市の教育のさらなる発展につながっていくものと確信している。
何事をなす上でも基盤となるのは、心と身体の健康。皆さんが笑顔でなければ、子どもたちの笑顔も消えてしまう。
新型コロナウイルスの感染対策が続く中での、令和3年度のスタートとなるが、皆さんには、自身の健康管理に充分留意し、心身ともに健康で、教育活動に当たることを祈念する。札幌の子どもたちの笑顔のために、一緒に頑張っていこう。
(札幌市 2021-04-02付)
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