【解説】留学生 今後は質向上へ(解説 2021-04-19付)
文部科学省は、留学生30万人検証結果報告書をまとめた。令和元年で外国人留学生の数が31万人と目標を達成したことを踏まえ、今後は受け入れの数から質の向上を図る視点に転換し、優秀な外国人留学生の日本社会への定着などの施策の深化を図る必要性を示している。
文科省、外務省、法務省などの関係省庁は平成20年、令和2年をめどに30万人の外国人留学生受け入れを目指す留学生30万人計画を策定。文科省の調査によると、外国人留学生数は元年5月時点で31万2214人と目標を達成。新型コロナウイルス感染症の影響で2年は27万9597人と10・4%減少している。
7日の第8回教育再生実行会議高等教育ワーキング・グループで示した報告書では、アジア諸国からの外国人留学生の出身国・地域が多様化したことを報告。海外の優秀な学生の日本留学に対する関心の高まりなど、これまでの施策による一定の成果を指摘する一方、高度人材の国内定着の促進、効果的・効率的な情報発信、日本語教育の充実、適切な在籍管理の徹底などを課題に挙げている。
今後の施策として、対面授業と遠隔・オンライン教育を効果的に組み合わせるなどの新たな工夫や、優秀な外国人留学生が日本人学生とともに教育を受ける機会を提供する実留学の推進が重要と指摘。
日本の技術的優位性を確保・維持するため、大学等における技術流出防止対策の強化とのバランスが重要と指摘。受け入れ数重視の視点から優秀な外国人留学生の日本社会への定着度の向上と、帰国外国人留学生の親日派・知日派としての活用やネットワーク強化による諸外国との友好関係の強化など、質の向上を図る視点に転換し、関係省庁が連携・協力して施策の深化を図るべきとしている。
(解説 2021-04-19付)
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