【解説】ヤングケアラー実態調査
(解説 2021-04-14付)

 厚生労働省は、ヤングケアラーの実態に関する調査研究結果をまとめた。家族の世話をする中学2年生は5・7%、高校生は4・1%。通信制高校生徒は11・0%と特に高いことが分かった。12日に開かれたヤングケアラーの支援に向けた福祉・介護・医療・教育の連携プロジェクトチーム第2回会議で調査結果を報告。早期発見のため学校、福祉事業者、児童委員などによる把握の重要性を示した。

 ヤングケアラーとは、本来大人が担う家事や家族の世話などを日常的に行うことで、自身がやりたいことができないなど、自身の権利が守られていないと思われる子ども。

 調査は、ヤングケアラーの実態をより正確に把握し、今後の検討に生かすため実施。全国から抽出した中学と高校1065校にアンケート調査したほか、中高生1万3777人を対象にウェブで調査した。

 学校調査でヤングケアラーに該当する子どもがいると回答した割合は、中学校が46・6%、全日制高校が49・8%、定時制高校が70・4%、通信制高校が60%。いずれも家族の代わりに幼いきょうだいの世話をしている割合が高い。

 中高生調査では、世話をしている家族がいると回答した割合は中学2年生が5・7%、全日制高校2年生が4・1%、定時制高校2年生相当が8・5%、通信制高校生が11・0%。世話をしている家族は各校種ともきょうだいが最も多く、特に中学2年生で61・8%と高い。世話の頻度は「ほぼ毎日」が3~6割。平日1日に世話に費やす時間は「3時間未満」が最も多く、「7時間以上」が1割程度となっている。

 ヤングケアラーと自覚している中学2年生は1・8%、全日制高校2年生は2・3%。ヤングケアラーを聞いたことがない子どもは8割以上だった。

(解説 2021-04-14付)

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