【解説】わいせつ教員対策へ法整備検討(解説 2021-04-22付)
萩生田光一文部科学大臣は20日の記者会見で、わいせつ教員に対する教員免許の再交付を都道府県教委等が拒否できるよう、自民党と公明党が法整備を検討している裁量的拒絶権について、全国一律に実施する上での課題を指摘し、注視していく考えを示した。
現行の法制度では、教員がわいせつ行為などで懲戒免職となった場合、3年を経過すれば免許の再取得が可能となっている。
文部科学省は、わいせつ行為を行った元教員が再び採用されないよう、3月に過去の懲戒処分歴を確認できる官報情報検索ツールの検索可能期間を5年から40年に延長。処分理由を官報に記載する省令改正も実施した。一方、教員免許の再交付の制限については、法制上の課題があるとの見方を示していた。
このため自民党と公明党の議員による与党わいせつ教員根絶立法検討ワーキングチームは、児童生徒に対するわいせつ行為を児童生徒性暴力と定義し、都道府県教委等が教員免許の再交付について適当か否かを判断する裁量的拒絶権を所持させる新法の制定に向け、検討を進めている。
萩生田大臣は、子どもを守り、育てる立場にある教員が子どもにわいせつな行為を行うことは決してあってはならないとし、わいせつ教員を現場から排除する重要性を強調。一方、ワーキングチームで議論されている裁量的拒絶権に関しては、地方教育行政や教員免許法との関係から全国一律に行うことの困難さを指摘し、「各都道府県でバランスよくどう発信するのか、判断する人たちをどう選ぶかなど、運用面では課題が出る」との認識を示した。
その上で、わいせつ教員の根絶に向けた社会的な動きを歓迎すべきこととし「引き続き与党の取組に期待をもって注視してきたい」と述べた。
(解説 2021-04-22付)
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