1人1台端末積極活用を 上川局が管内教育長会議 在校等時間の記録効果的な活用を
(道・道教委 2021-04-21付)

上川管内教育長会議
管内教育推進の重点や各課所管事項を説明した

 【旭川発】上川教育局は12日、上川合同庁舎で令和3年度第1回管内教育委員会教育長会議を開いた。23市町村教委の教育長や代表者、局職員11人が出席。河野秀平局長が本年度の管内教育推進の重点を説明したほか、各課担当者等が所管事項について説明した。うち、教育支援課からは、1人1台端末の積極的な活用や、生徒指導におけるきめ細かな対応などを求めた。

 開会あいさつに立った河野局長は、①学校における感染防止対策の徹底②教職員の不祥事防止③全国学力・学習状況調査―の3点について伝達。

 ①については、新学期に当たって児童生徒が集団で活動する場面が増加することから、「今一度、学校への適切な指導を通じて、感染防止対策に全力を挙げてほしい」と求めた。

 ②については、職員会議などにおける形式的な伝達にとどまらず、管理職員が教職員一人ひとりと向き合った指導や注意喚起を行うよう呼びがけた。

 ③については、学力調査の有効活用に向け、実施前の26日に組織力強化会議を開催すると説明。さらなる授業改善に向け学校への指導を要請するとともに、上川の児童生徒が社会で自立するために必要な学力を確実に身に付けるための取組へ理解と支援を求めた。

 続いて、河野局長が本年度の管内教育推進の重点を示し、解説した(詳細は15日付5~7面)。

 このあと、高野拓実義務教育指導監、泉川佳孝企画総務課長、泉大吾教育支援課長が、それぞれ所管事項を説明。

 うち、泉課長は、1人1台端末の積極的な活用に向けて、「一人の百歩よりも百人の一歩」の考えのもと、すべての児童生徒が端末を文房具のように使うとともに、すべての教員が児童生徒の表現物を端末上で共有できるよう、助言等に努めてくことを伝えた。

 全国体力・運動能力、運動習慣等調査について、コロナ禍での実施となることを踏まえ、特に実技テストにおける感染症・熱中症対策に十分留意するよう要請。

 学校教育指導訪問にかかわって、学校の要請に基づいて行う指導主事派遣(SD派遣)については、直接訪問に加えてウェブ会議システムによる訪問を計画しているとし、学校のニーズに合わせて積極的に活用するよう呼びかけた。

 生徒指導にかかわって、いじめ問題への対応については、いじめの認知件数がゼロだったことを含めて児童生徒や保護者に公表し、認知漏れがないか検証することの重要性などを説明。また、不登校児童生徒について、増加・長期化傾向にあることから、組織的な支援体制の整備、初期段階での支援など、きめ細かな対応をあらためて求めた。

 引き続き、管内における働き方改革推進会議を開催。川島政吉主幹が、学校における働き方改革北海道アクション・プラン(第2期)について、改正のポイントなどを説明した。

 これまでの成果と課題について、時間外勤務の縮減が一定程度図られたものの、いまだに半数以上の主幹教諭・教諭が1ヵ月45時間以上の時間外勤務を行っている現状などを紹介。

 新アクション・プランで重視する視点「個の気付き」「チームの対話」「地域との連携」のもと、新しい学校づくりの基盤とするよう呼びかけた。

 具体的な取組のうち、「在校等時間の客観的な計測・記録と公表」については、今後「実態が伴っているか」「結果を受け、記録を活用した職員管理・業務管理が学校で徹底されているか」が問われることを指摘。在校等時間の縮減が目的化し、教育活動の低下や虚偽の時間の記録などがないよう指導を求めた。

 働き方改革推進事業について、本年度は学校力向上に関する総合実践事業との連携や、校長を対象とした働き方改革推進リーダーシップ向上研修の企画などを通して全道的な改革を推進することを説明。

 取組の各学校への周知徹底に向け、要請に応じて研修会等で川島主幹を含めた担当者が説明することも可能と伝え、積極的な活用を呼びかけた。

(道・道教委 2021-04-21付)

その他の記事( 道・道教委)

胆振管内3年度教育推進の重点 教育効果の高い学校を 山上局長 取組の焦点化を

胆振教育局長山上和弘  【室蘭発】胆振教育局の山上和弘局長は12日、オンライン開催の管内小・中・義務教育学校長会議で、令和3年度の管内教育推進の重点を説明した。推進テーマは、前年度に引き続き「オール胆振で教育効果...

(2021-04-23)  全て読む

新時代の学校教育実現 胆振局 管内校長会議で山上局長

胆振局管内校長会議  【室蘭発】胆振教育局は12日、オンラインで管内小・中・義務教育学校長会議を開いた。管内109校の校長が参加。山上和弘局長が令和3年度管内教育推進の重点を説明し、新しい時代の学校教育の実現を...

(2021-04-23)  全て読む

受賞3者の栄誉たたえ 宗谷局 道教育実践表彰伝達式

教育実践表彰稚内南小  【稚内発】宗谷教育局は3月下旬、令和2年度道教育実践表彰の伝達式を行った。田中賢一局長が受賞した1校、教諭2人に表彰状を授与。優れた教育活動をたたえるとともに、さらなる飛躍に期待を寄せた。...

(2021-04-22)  全て読む

道教委 小中一貫サポート事業説明会 6月30日に全道研修会 9年間見通しカリキュラムを

道教委小中一貫サポート事業  道教委は20日、令和3年度学力向上推進事業「小中一貫教育サポート事業」の説明会をオンライン開催した。指定地域市町村教委の担当者など約60人が参加。事業の趣旨や取組内容、6月30日にカリキュ...

(2021-04-22)  全て読む

道教委 3年度学校力向上総合実践 中核27校 指定78校に 各管内1校で働き方改革事業

 道教委は、学校力向上に関する総合実践事業の令和3年度指定地域を決定した。旭川市や芦別市など新規12地域を含む27地域を指定し、中核校27校、指定校78校を決めた。本年度は、各管内の中核校か...

(2021-04-22)  全て読む

児童虐待の支援例追記 道教委 SCガイドライン等改正

 道教委は、スクールカウンセラー(SC)ガイドラインおよびスクールソーシャルワーカー(SSW)ガイドラインの一部を改正した。職務内容に児童虐待事案における支援例を追記。貧困や進路に関する問題...

(2021-04-21)  全て読む

道教委・鈴木教育監ら T―base視察 教員の熱意を実感 遠隔授業の推進、成果に期待

鈴木教育監遠隔授業配信センター視察  道教委の鈴木淳学校教育監、唐川智幸学校教育局長兼ICT教育推進局長は14日、道高校遠隔授業配信センター(T―base、元紺谷尊広センター長)を視察した。同時双方向による遠隔授業の様子を視察...

(2021-04-21)  全て読む

道教委 3年度働き方改革推進校 35校 2年度比1.5倍 ICT活用や教頭支援等追加

 道教委は、令和3年度における働き方改革推進事業の方針を固めた。本年度からスタートした学校における働き方改革北海道アクション・プラン(第2期)を踏まえ、推進校が選択する業務改善の取組に「IC...

(2021-04-21)  全て読む

道教委が英語教育支援事業全道協議会 乗り入れ授業など活用を 報告書の作成方針も示す

小中高校英語教育支援事業協議会  道教委は19日、令和3年度小・中・高校英語教育支援事業全道協議会をウェブ会議システムZoomで開催した。推進校や協力校の担当教員など約110人が参加。最終年度となる本年度は、乗り入れ授業や...

(2021-04-21)  全て読む

本年度は4段階評価に 授業改善推進教員チーム全道研修会全道研修会 短期目標重視を

授業改善推進チーム全道研修会  道教委は15日、学力向上推進事業授業改善推進チーム全道研修会(遠隔研修)を開催した。授業改善推進教員や配置校管理職など約240人が参加した。  開会式では、行徳義朗義務教育課長があいさつ...

(2021-04-20)  全て読む