札幌市研究開発事業「ＩＣＴ活用」　宮の森中加え４校で実践　家庭と端末持ち帰り規則共有

（札幌市 2021-06-02付）

　札幌市教委は、市研究開発事業の研究課題「ＩＣＴを活用した“学ぶ力”の育成」における令和３年度モデル研究校を決定した。２年度に１人１台端末活用モデル研究校として実践研究を進めた中央小学校、中央中学校、市立札幌新川高校に加え、宮の森中学校を指定。小・中学校では、家庭への持ち帰りについて効果的な活用方法を検討し、ルールを各家庭と共有する。札幌新川高では、すべての教科・教育活動を対象に、Ｃｈｒｏｍｅｂｏｏｋと無線ＬＡＮ、プロジェクターを活用した教科指導を実践する。

　市教委は事業にかかわって、３年度は①知・徳・体の調和の取れた育ち②札幌らしい特色ある学校教育③子どもの発達への支援④信頼される学校の創造⑤教科等の枠組みを越えた教育―の５分野で８つの研究課題を設定。

　研究の視点には「課題探究的な学習の推進」「小中一貫した教育の推進」（義務教育９年間を見越した系統性のある学び）の２点を掲げた。

　８つの研究課題のうち「ＩＣＴを活用した“学ぶ力”の育成」については、２年度に１人１台端末活用モデル校として実践研究を推進した中央小、中央中、札幌新川高に加え、宮の森中の計４校で実践研究を進める。

　国のＧＩＧＡスクール構想によって１人１台端末を導入している小・中学校では、家庭への持ち帰り使用について、効果的な活用方法を検討し、ルールを各家庭と共有。また、各教科の課題について、端末を持ち帰って取り組む活動を実践する。

　具体的に、中央小では、自ら課題をもち、主体的に解決する学習の中で個人の学び、集団での学びにおいてＩＣＴの有効活用を図るほか、１人１台端末でのデジタル教科書の活用を通して、児童が主体的に学ぶ姿を目指す。

　中央中では、「知」「徳」「体」それぞれを意識した取組を進めることで、調和のとれた生きる力を育成。９教科および道徳・総合的な学習の時間、特別活動、生徒会活動での活用について実践する。

　宮の森中では、市の学ぶ力の育成に向けた５つのポイントのうち、「自ら学ぶ方法と人と学び合う方法を身に付けられるようにする」を重点に据え、生徒一人ひとりの興味・関心等に応じ、学習活動や学習課題に取り組む機会を提供。ＩＣＴを活用した学習活動を通して、協働的な学びと個別最適な学びに関する実践的な研究を進める。

　札幌新川高では、すべての教科・教育活動を対象に、Ｃｈｒｏｍｅｂｏｏｋと無線ＬＡＮ、プロジェクターを活用した教科指導を実践。授業の教材をＣｌａｓｓｒｏｏｍで配信し、生徒が自宅で復習する際の利用に供することや、確認問題を提示することで理解度を測ることを期待している。

(札幌市 2021-06-02付)