【解説】２０２１年度ものづくり白書

（解説 2021-06-15付）

　経済産業省・厚生労働省・文部科学省は、２０２１年版ものづくり白書を公表した。現状と課題を踏まえ、今後の施策を示した。学校教育では、文科省におけるデジタル化推進プランに基づき、ハード・ソフト・人材が一体となった取組を一層加速させていくとした。

　ものづくり白書は、ものづくり基盤技術振興基本法に基づく法定白書とし、今回で２１回目の策定。第１部「ものづくり基盤技術の現状と課題」、第２部「令和２年度においてものづくり基盤技術の振興に関して講じた施策」で構成されている。

　今後の対策として、文科省におけるデジタル化推進プランに基づき、ＧＩＧＡスクール構想による１人１台端末の活用をはじめとした学校教育の充実など教育におけるデジタル化や、デジタル社会の早期実現に向けた研究開発、文化芸術分野におけるＤＸ化の取組等を進めることを挙げている。

　中でも、学校教育では、ハード・ソフト・人材が一体となった取組を一層加速。大学では、国立大学法人等のハイブリッド教育研究の環境整備、大学入学者選抜におけるデジタル活用、デジタルを活用した大学・高専教育高度化プランの推進などを行うとした。

　Ｓｏｃｉｅｔｙ５・０の実現に向け、科学技術・イノベーション基本計画に基づき、総合知やエビデンスを活用しつつ、バックキャストによって政策を立案し、イノベーションの創出を図る。

　過疎化や少子高齢化などを背景に文化財保存等の担い手が減少していることを踏まえ、文化財保護法を改正し、文化財の保存・活用にかかる地域人材の参画促進や伝統工芸の体験活動など、文化芸術資源から生み出される新たな価値と継承を図ることなどを示している。

(解説 2021-06-15付)