札幌市　子の利益実現２年度報告書　権利保障へ普及・啓発　アンケート分析結果など

（札幌市 2021-07-08付）

　札幌市子ども未来局は、『市子どもの最善の利益を実現するための権利条約に基づく令和２年度取組状況報告書』をまとめた。学校・市教委と連携した子どもへの広報・啓発活動、コロナ禍においても子どもの参加・理解促進の取組を進めたことを報告したほか、「子ども・子育てに関する市民アンケート調査」の分析結果を記載。市は「一層子どもの理解促進に向けた普及・啓発を進め、権利侵害からの救済活動の充実を図りながら、子どもの権利保障の推進に取り組んでいく」としている。

　６日に開いた市議会文教委員会で報告した。

　報告書は、子どもの権利に関する取組や、子どもの権利に関する施策の推進体制などを記載している。

　うち、２年度における取組概要では、子どもの権利の普及・啓発の取組や子どもの権利に関する推進計画の成果指標等の状況を報告。パンフレットの配付やポスター掲示など、学校・教育委員会と連携した子どもへの広報・啓発活動のほか、他自治体との交流のオンライン開催や子ども議会の書面開催、子どもの権利川柳・ポスター作品の募集など、コロナ禍においても子どもの参加や理解促進の取組を進めるため、新たな開催方法を取り入れて実施したことを報告している。

　推進計画の成果指標に関しては、２年度「子ども・子育てに関する市民アンケート調査」の結果において全般的に上昇傾向にある一方、「子どもの権利が大切にされていると思う子どもの割合」が低下していることを伝えた。

　市は「長引くコロナ禍において子どもたちの学習機会や体験機会が失われていることも一つの要因」と分析。「今後、子どもの体験機会や参加の取組を進めていくとともに、さらに子どもの理解促進に向けた普及・啓発を進め、いじめや虐待などの権利侵害からの救済活動の充実を図りながらより一層、子どもの権利保障の推進に取り組んでいく」としている。

　このほか、子どもの権利救済機関「子どもアシストセンター」や市教委の子どもの権利に関する取組概要を紹介した。

(札幌市 2021-07-08付)