福島町教委 児童対象学習会等 伊能忠敬学び地域理解 諦めない気持ち重要(学校 2021-07-15付)
活動を通じ、地域ゆかりの偉人を身近に感じた
【函館発】福島町教委は10日、町内の小学生を対象に伊能忠敬学習会と清掃体験活動を実施した。2校の児童計5人が町にゆかりのある偉人について学ぶとともに、銅像の清掃作業を実施。地域への理解を深めながら、諦めない気持ちの重要性を肌で感じとった。
町教委では、次代を担う子どもたちに町の歴史や文化、産業などについて学んでもらうための事業「福島学ジュニア」を展開。今回もその一環で、本年度の第1回目となる。
この日は新暦で伊能が吉岡に上陸した日で、1821年7月10日に全国地図が完成してからちょうど200年目にも当たるため、福島町史研究会との共催で伊能を題材とした学習会を企画。行政や観光協会などで構成し、景観や歴史・文化といった地域の魅力を道でつなぎ個性的な地域づくりを目指す、「どうなん・追分シーニックバイウェイルート」との合同で清掃活動も実施することとした。
鳴海清春町長、小野寺則之教育長ら福島町の関係者のほか、松前町や松前観光協会などから計50人が参加。福島学ジュニアでは、福島小学校の児童4人と吉岡小学校の児童1人が活動に臨んだ。
吉岡総合センターで、町教委の鈴木志穂学芸員が当時の測量機器や測量の方法、伊能の測量が吉岡地区から始まった理由や上陸した様子などを説明。子どもたちは、方位を測る江戸時代の道具「わんか羅針」を手にし、興味深く見つめていた。
伊能忠敬北海道測量開始記念公園に移動し、福島町史研究会の中塚徹朗会長が「吉岡や白符といった町内の地名が、国宝になっている伊能の地図などに記されている」とし、偉人と地域とのかかわりを強調。「木古内で3つの星を観測した」「蝦夷地測量の終着点が松前で、弁天前山から大島や小島を測量した」との足跡を紹介し、この地における当時の伊能の息遣いを伝えた。
最後に、「いのうただたかって しってる?」と題したクイズで、今回の復習と補足。伊能が50歳から測量や天文学の勉強を始め、測量を開始したときには55歳だったことを伝えると、子どもたちから驚きの声が上がっていた。
同時に高齢で偉業を成し遂げたと知り、「あきらめないで頑張ればできる」ということを感じた様子。一方で多くの問題に正解し、地域理解を深めていた。
このあと、足場に上って伊能の銅像を清掃。伊能の顔を見つめながら、ぞうきんを手に一生懸命水拭きを繰り返し、偉人を身近に感じていたようだった。
小野寺教育長は「今後も、それぞれの発達段階に応じた取組を進めたい。地域の素材を生かした事業を通じ郷土愛を育み、将来を担う人材育成につながってほしい」と話している。
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鈴木学芸員(左から3人目)と中塚会長(左端)は、この地での息遣いを伝えた
(学校 2021-07-15付)
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