札幌市教委　４年度以降特別支援学級　１教員に子６人超で加配　インクルーシブ加配も検討

（札幌市 2021-07-16付）

　札幌市教委は、令和４年度以降における特別支援学級の新たな体制案をまとめた。教員配置基準および加配規定の見直しでは、これまで１学級８人編制としていたものを、１教員当たりの児童生徒数が６人を超える場合に加配する。特別支援学級と通常学級の交流・共同学習の充実に向けた、仮称・インクルーシブ教育実践加配の導入も検討する方向で準備を進める。

　市立学校の義務教育段階においては、特別支援教育を受ける児童生徒数が増加傾向にある。２年度においては、特別支援学級に通う児童生徒は３３６２人、通級指導を受ける児童生徒は１０７８人。平成１９年度に比べ、いずれも１・５倍程度増えており、今後も特別な教育的支援を必要とする児童生徒の増加が見込まれている。

　これらの状況を踏まえ、子ども一人ひとりの教育的ニーズに応じた特別支援教育の充実を目指し、４年度の体制を見直す。

　新たな体制案では、①特別支援学級の教員配置基準および加配規定の見直し②新たな教員加配メニューの導入検討③通級による指導環境の整備④通常の学級の少人数化⑤特別支援教育にかかる専門性の向上―の５つを示している。

　①では、現行、国の基準にのっとり１学級８人編制としているが、１教員当たりの児童生徒数が６人を超える場合に加配する。障がい種別ではなく、特別支援学級全体に対して教員を加配することで、少人数指導の充実を図る。このほか、就学相談で特別支援学校判断を通知した児童生徒が在籍する場合も加配対象とする。

　②では、特別支援学級と通常学級の児童生徒が共に学ぶ活動の充実に向け、共同学習等の実践に取り組む学校に、仮称・インクルーシブ教育実践加配を導入する方向で準備を進める。

　③では、指導教室の開設や巡回指導の拡大を進め、学校施設の状況を勘案した教員の増員を図る。

　④では、きめ細かい指導の充実と教育的支援が必要な児童生徒に配慮を可能にする。⑤では、管理職を含めたすべての教員の育成指標に特別支援教育の項目を位置付け、資質向上に向けた研修計画を作成する。

(札幌市 2021-07-16付)