チャレンジテスト分析・活用へ 専用ツール4種開発 オホーツク局 初弾はS―P表作成(道・道教委 2021-08-16付)
【網走発】オホーツク教育局は、北見工業大学と共同でほっかいどうチャレンジテスト分析・活用ツールの開発を進めている。7月下旬には、第1弾として、児童生徒や学校・学級ごとの正答状況の詳細な把握に役立ててもらおうと、S―P表の作成ツールを各学校に提供。レーダーチャート、度数分布、児童生徒個人票の3種類のツールも本年度中に順次提供する予定だ。各学校における客観的な状況把握と分析による指導改善につなげるとともに、教職員の働き方改革実現などを目指す。
ほっかいどうチャレンジテストは、道教委が平成21年度から実施しているもの。授業の振り返りや学期のまとめの学習などで活用できる問題を配信している。
管内における31年度全国学力・学習状況調査の質問紙調査で、「児童生徒の姿や地域の現状等に関する調査や各種データに基づき、教育課程を編成し、実施し、評価して改善を図る一連のPDCAサイクルの確立をしている」と回答した学校の割合は、小学校44・7%、中学校44・9%。いずれも全道平均に比べ10ポイント前後下回っており、各学校における検証改善サイクルの確立が課題となっている。
こうした状況を受け、オホーツク局は、①各学校における児童生徒の客観的な状況把握と分析による指導改善②地域が一体となった学力向上の取組の推進③効果的かつ効率的な分析による教職員の働き方改革―の3点を目的に、チャレンジテストの各設問の結果を詳細に分析することができるツールの開発を目指した。
システム開発のノウハウをもつ北見工業大の技術部に協力を依頼。「S―P表」「レーダーチャート」「度数分布」「児童生徒個人票」の4種類のツールの作成を進めてきた。
7月下旬には、初弾として、S―P表を各学校に提供した。
全国学力・学習状況調査結果の分析ツールとしても活用されているS―P表は、縦軸を児童生徒(S)、横軸を設問(P)として正答数の多い順に並べ替え、S曲線とP曲線を書き入れたもの。S曲線では児童生徒ごとの傾向、P曲線では学校(学級)ごとの傾向が分かる。
具体的な使用方法をみると、各学校がツールをダウンロードしたあと、集計表にチャレンジテストの結果を入力。ツールの作成ボタンを押すとS―P表が自動的に作成される。
オホーツク局は、ツールの活用を通して、各学校における児童生徒一人ひとりの学習状況に応じた個別最適な学びの実現や授業改善、教育課程の改善に期待する。
併せて、入力作業等の負担を増やすことなく詳細な結果の分析が行えるなど、働き方改革推進の観点からも導入効果を見込んでいる。
残る3種類のツールに関しても、本年度中に順次提供する予定。また、来年1月ころに開く第2回組織力強化会議で、ツールの活用例や成果などを共有したい考え。
野上義秀局長は、指導の充実や教職員の負担軽減に期待を寄せるとともに、「子どもたちが強みや潜在能力を最大限に伸ばし豊かに成長することの喜びを、子どもたちを取り巻くすべての人々が共に分かち合えるようになることを願っている」と話している。
(道・道教委 2021-08-16付)
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