道教委　３年度全国学力調査結果　中学国・数　差が縮小　端末持ち帰り　小６％中１０％

（道・道教委 2021-09-01付）

道内公立学校の令和３年度各教科の平均正答率・数（クリックすると拡大表示されます）

　道教委は、令和３年度全国学力・学習状況調査結果を発表した。平均正答率は全教科で全国平均に届かなかったものの、中学校では国語が０・７ポイント差から０・１ポイント差、数学は１・７ポイント差から１・３ポイント差へとそれぞれ縮小した。端末を家庭に持ち帰らせている学校の割合は、小学校が６％、中学校が１０％で、全国平均を１０ポイント以上下回った。倉本博史教育長は、ＩＣＴを効果的に活用した授業改善、少人数学級編制の拡大や専科教員の増員など、学校、家庭、地域、行政が一体となった取組を進めていくとのコメントを発表した。

　調査は新型コロナウイルス感染症の影響で２年ぶりに実施。道教委は各教科の平均正答率に関し、国が公表した整数値をもとに独自に小数値を算出し、整数値と併せて発表した。

　本道の実施校数は、小学校９７２校、中学校５６７校の計１５３９校。小学校６年児童３万６４５６人と、中学校３年生徒３万４７００人の合計７万１１５６人が参加した。調査期日に実施できなかった学校を除いた実施率は、小・中学校合わせて９８・８％。

　各教科の平均正答率は、小学校は国語６３・２％、算数６７・５％、中学校は国語６４・５％、数学５５・９％。

　全国平均との差をみると、小学校は国語が１・５ポイント、算数が２・７ポイント下回り、いずれも元年度と比べ差が広がった。一方、中学校では元年度と比べ国語が０・１ポイント、数学が１・３ポイント差が縮まった。

　児童生徒質問紙調査では、２年４～５月ころ新型コロナウイルス感染症の影響で多くの学校が臨時休校していた状況について調査。「計画的に学習を続けることができた」と回答した児童生徒の割合は、小学校２７・５％（全国平均２９・８％）、中学校１０・４％（同１１・３％）、「規則正しい生活を送っていた」との回答は小学校２８・４％（同３１・６％）、中学校２０・６％（同２１・９％）といずれも全国平均を下回った。

　学校質問紙調査では、ＩＣＴ機器の活用に関する質問を新設。端末を家庭に持ち帰らせている学校の割合は、小学校６・１％（同２０・５％）、中学校１０・０％（同２０・８％）だった。

　道教委は今後、本年度の成果や課題、管内別の状況などをより詳細に分析し、１１月末をめどに報告書としてまとめる予定。

　文部科学省は、「やむを得ず学校に登校できない児童生徒等へのICTを活用した学習指導等を行うためのチェックリスト」を作成した。併せて、ICTを活用した学習指導の自治体の事例を作成。コロナ禍における児童生徒の学びを保障するため、活用を呼びかけている。

(道・道教委 2021-09-01付)