道教委・道高校長協会　教頭育成指針　新たに候補者リスト　地域限定異動導入など検討

（道・道教委 2021-09-02付）

　道教委と道高校長協会（廣田定憲会長）は、高校における教頭候補者の育成に向けた行動指針を策定した。意欲と能力のある人材の管理職登用促進に向け、道教委、各校長、道高校長協会の具体的な取組を示した。計画的な人材育成を推進するための管理職候補者リストを新たに作成するほか、地域限定異動など柔軟な人事異動の在り方を検討する。教頭の負担軽減に向けては、施設管理体制の見直しや校務分掌見直しの好事例の収集に着手する。

　指針は、教頭が学校運営に専念できる環境を整備し、意欲と能力のある人材の管理職登用を促進するために策定。道教委は今春、道高校長協会などを構成員とする庁内会議を設置し、教頭の支援策や人材確保の方策を協議。教頭職に関するアンケート調査の結果も踏まえ策定した。

　道教委における具体的な取組をみると、昇任前に教頭の職務に関する知識・技能を習得できるよう校内研修用動画を配信する昇任前研修を導入するなど、支援体制の充実を図るとした。

　また、教育指導監などの学校訪問を通して校長から聴き取りを行い、管理職候補者リストを新たに作成。道教委と道高校長協会が情報を共有し、計画的な人材育成を進める。リストは毎年度更新し、関係者間で引き継ぐとしている。

　教頭の人事異動に当たっては、一般教員としての業績や家庭の状況などを配慮するとともに、地域限定異動など柔軟な人事異動の在り方について検討する。

　教頭の負担軽減を図るため、最後に退勤する職員が施錠する手法を検討するなど施設管理体制を見直す。校務分掌の点検・見直しに向け好事例を収集するほか、調査業務の精選などを進める。これらの取組は各課において準備を進め、全庁横断で取り組む。

　各校長における取組では、若手教員に対する管理職志向や意欲の醸成、教頭候補者受検者の積極的な推薦、成就感をもたせるコーチングの徹底、パワハラ行為の撲滅などを示した。教頭業務の精選・分散化、教頭の体調管理への留意や、管理職候補者育成を意識した人事評価、校内人事配置の徹底を挙げている。

(道・道教委 2021-09-02付)