白老東高 CLASSプロジェクト指定校 地域の課題解決へ一丸 コンソーシアム会議開く(道・道教委 2021-09-03付)
会議の趣旨や今後の取組について確認
【室蘭発】道教委の本年度新規事業「北海道CLASSプロジェクト(地学協働活動推進実証事業)」研究指定校の白老東高校(高野隆広校長)は8月24日、同校で第1回コンソーシアム会議を開催した。戸田安彦白老町長をはじめ、26人の構成員が出席。学校と地域を結び、地域の課題解決に向けた教育活動を展開するため、各機関一丸となって推進していくことを確認した。
事業は、地域と学校との連携・協働体制を整備し、
活動を通じて「まち・ひと・しごと」と「学び」の絆づくりに取り組むもの。地域コーディネーターを配置し、高校と自治体や産業界をつなぎ、地域課題探究型のキャリア教育を推進する。指定期間は本年度から3年間。
道央・道南・道北・道東の各ブロックごとに推進校等を指定。道南では推進校に白老東高、連携校に鵡川高校が指定を受けた。事業にかかるコンソーシアム会議の開催は今回の白老東高が初めて。
会議の目的は、①事業の実施にかかる意思決定・統括②地域コーディネーターを中心に、高校が地域の自治体や産業界等と連携・協働した体制を構築し、地域課題探究型の学びを通して、地域におけるキャリア教育の在り方を検討③地域から求められる人づくりの在り方を考える意見交換④事業の実施方法・年間計画の作成・提示⑤数値目標・指標の設定⑥成果や課題の明確化―の6点。地域コーディネーター、研究指定校校長、自治体の担当者、知事部局(振興局)、企業・経済団体、NPO、大学等の研究機関、保護者、道教委などで構成されている。
冒頭、高野校長があいさつ。「地域を学ぶことから、一歩進んで高校生が地域の大人と一緒に地域の課題解決を図る地域課題探究型の活動を通し、地域で未来を担う高校生を育成する取組である」と説明。「これまでは、学校の教諭が地域の方と連絡調整を図ってきたが、この事業は、学校と地域を結ぶコーディネート機能についても研究することから、地域コーディネーターの佐藤雄大町議会議員を核に、学校と地域を結び、取組を進めていく」と話した。
戸田町長は「今までのアイヌ文化や地域学習の成果が認められ、今後の取組について期待されている」と、推進校指定について所感を示した。その上で、「本町の小・中学校は、ふるさと学習でアイヌ文化を学習しており、その取組や成果が高校にもつながっていけば、町の魅力を違う形で発信できる。高校生が活動を通して地域を好きになり、未来を担う人材になってほしい」と期待を寄せた。
趣旨説明では、生徒に対する目的や目標の共有の在り方について質問があり、白老東高の担当者は「職員全体で把握して、生徒に事業の趣旨を説明し、アイヌ文化等の学習を通して白老町に対する愛着をもち、この先の将来もまちを見守り続けてほしいことを伝えている」と回答した。
研究協議では、「ウポポイに来た観光客がなかなか大町商店街まで足を運ばないことがまちの課題となっている」「発表会等の場を設け生徒の視点からじかに解決策等を聞きたい」「町の活性化に向けて、高校生の視点から解決策等について率直な意見を聞きたい」などの意見が出された。
最後に、胆振教育局の佐々木憲一社会教育指導班主査は「会議は、情報共有のプラットフォームととらえ、活性化することで目標が現実に近づく場と考えており、皆さんからいただいた様々な情報をもとに、教育局として具体的な支援策を提案していく」と述べた。
(道・道教委 2021-09-03付)
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