道研　計測・制御プログラミング研修　身近な問題から課題を　文科省・上野視学官が助言

（道・道教委 2021-09-17付）

　道立教育研究所は、５月から展開している計測・制御のプログラミング研修（技術・家庭）の最終講座を７日にオンラインで開講した。受講者７人が授業計画案をもとに自校の取組を交流。文部科学省初等中等教育局の上野耕史視学官が、プログラミング教育の在り方や指導に関して助言し、身近な問題から課題を設定することの大切さなどを伝えた。

　計測・制御のプログラミングによる問題解決の学習活動に向けて、課題を設定する力、システムを構想する力などの育成について理解を深め、実践的な指導力の向上を図ることを目的としている。

　道研は、Ｇｏｏｇｌｅアカウントを受講者に貸与し、随時、教員間で情報が共有できるよう環境を整備。また、昨年開発した室内の二酸化炭素量を測定して換気を促すプログラミング教材を貸し出し、実践的な演習を展開した。

　５月、制御回路とプログラミングの基礎や計測・制御システムの構築など、基本的な知識を深めた。文科省の上野視学官が講師を務め、中学技術分野の課題整理や課題解決に向けて、学習指導要領の内容を交えて助言した。

　７日の研修では、はじめに、道研職員が実施したプログラミング授業の動画を配信。生徒たちがプログラミングによってＬＥＤランプを点灯・点滅・消灯させる様子から、授業づくりの要点を説明した。

　協議では、２グループに分かれ、事前に提出した授業計画案などをもとに自校の実践や構想を交流。

　ある学校では、プログラミングによって主人公２人を登場させた物語を作成する授業を計画している。具体的には、①せりふを字幕と音声で表現②背景を変えることで場面を変換③主人公に動きを付ける―の３つを条件に設定。他校の教員からは、せりふの条件分岐によって物語に変化を加えるなどの提案が挙がった。

　このあと、上野視学官が助言。協議の内容から、課題設定は身近な問題から見いだし、解決手段としてプログラミングを活用することの重要性を指摘した。

　また、現在の中学３年生は、高校進学時から新学習指導要領に切り替わるため、事前知識がないまま難易度の高い情報分野の活用を求められると説明。「生徒が進学後に困ることのないよう、授業内容の充実に努めてほしい」と求めた。

(道・道教委 2021-09-17付)