【解説】多様な背景の児童生徒の指導
(解説 2021-09-21付)

 文部科学省の設置する多様な背景を持つ児童生徒への生徒指導に関するワーキンググループ(WG)の初会合が16日に開かれた。子どもの健康問題・精神疾患に関するヒアリングを実施。統合失調症やうつ病など精神疾患の兆候に気づく学校の役割、学校種・学年間の引き継ぎや情報伝達の重要性が指摘された。

 WGは、学校単独で対応することが困難な児童生徒の個人的背景、家庭的背景に関する問題に対処し、児童生徒が安心して学べる環境を整備する上での留意事項を検討することが目的。

 16日の第1回会議では、検討事項や今後の議論の進め方を確認。生徒指導上の課題の背景・要因の一つとして考えられる「児童生徒の発達障がい」「健康問題・精神疾患」「家庭的背景の状況」などを整理し、問題の緩和等を図るために必要な対応を検討。改訂に向けて準備を進めている生徒指導提要に盛り込むべき事項を中心に、有識者からヒアリングを開始した。

 続いて、国立特別支援教育総合研究所発達障がい教育推進センター長の笹森洋樹委員が発達障がいに関して説明。診断名で子どもをみるのではなく、一人ひとりの特性を把握し、教育的ニーズに応じて支援することの大切さや、自尊感情や自己評価への配慮のポイントを伝えた。

 健康問題・精神疾患では、有識者から複雑な家庭状況が子どもの情緒面の問題に影響していることが多数あるとし、担任を孤立させない校内連携や医療との連携の重要性を指摘。

 また、新型コロナウイルス感染症によって子どもに不安症状・抑うつ症状、ネットやゲーム依存の悪化などの影響がみられているとし、オンライン教育の普及よって教育の機会が広げる一方、家庭に教育をもち込むことで家族間の衝突が激化していると報告した。

(解説 2021-09-21付)

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