【解説】令和２年度の虐待事案　道児相

（解説 2021-09-17付）

　令和２年度に道立８児童相談所（以下、道児相）が相談対応した虐待事案の件数は、前年度比３０１件減の３６９４件だった。

　道保健福祉部がまとめたもの。道児相における内容別対応件数をみると、心理的虐待が最も多く２４０４件（前年度２６１７件）で、内容別構成比は６５・１％。以下、身体的虐待７８９件（同７８９件）、ネグレクト５０９件（同５５３件）、性的虐待２２件（同３６件）と続いた。構成比でみると、心理的虐待は前年度より０・４ポイント下降したが、身体的虐待は０・８ポイント上昇した。

　経路別対応件数をみると、警察署からの通告が２１８４件で最多。以下、児童相談所等が５８６件、市町村が２９２件、近隣・知人が１７９件、学校等が１４８件、家族が１３２件などと続いた。

　虐待別対応件数について、主な虐待者をみると、実父が１６８５件、実母が１４６０件、実父以外の父が３５４件、実母以外の母が１７件など。虐待内容をみると、実父からは心理的虐待が１２８７件、身体的虐待が２９２件など。実母からは、ネグレクトが３７８件、身体的虐待が３２９件など。性的虐待は、実父・実父以外の父からが多かった。

　子の年齢別対応件数では、小学生が１３０４件で最多。ゼロ～３歳未満が６８２件、３歳～就学前が９１９件で、ゼロ～就学前の合計は１６０１件となり、全体の４３・３％を占めた。小学生を含めると２９０５件で、７８・６％となった。

　対応結果を内容別にみると、身体的虐待、心理的虐待、ネグレクトは面接による助言指導が最も多いが、性的虐待については施設入所措置が最も多かった。

　虐待の主な要因では、夫婦間不和が３２・０％と最も多く、育児疲れが１７・４％、心または人格の問題が１５・１％と続いた。

(解説 2021-09-17付)