温泉委員長 研究の輪を広げて 道へき・複連がオホーツク大会
(関係団体 2021-09-29付)

 【網走発】道へき地・複式教育研究連盟(温泉敏委員長)は16・17日の2日間、第70回全道へき地複式教育研究大会オホーツク大会をオンラインで開いた。研究主題「主体的・協働的に学び、ふるさとへの誇りと愛着をもった人間性豊かな子どもの育成~児童一人一人が仲間とつながり地域とともに“生きる力”を伸ばす学校・学級経営と学習指導の充実を目指して」、大会スローガン「オホーツクの大地に育つ子どもへ 未来を切り拓き 夢を実現する学びを」のもと、3つの分散会、6会場における公開授業の配信などを実施。へき地・複式教育の充実に向け、各校の実践成果を発信した。

 道へき地・複式教育研究連盟は、令和元年度から第10次5か年研究推進計画を開始。具体的には、①学校・学級経営の深化・充実②学習指導の深化・充実―の2分野で6課題を設定して活動を進めている。

 ①では、学校と家庭・地域が一体となり、「豊かな人間性を育む」学校・学級経営の創造を目標に、「確かな経営理念の確立と、家庭や地域と連携した確かな学びを創る特色ある教育課程の創造と推進」「ふるさとで学び、新しい時代を拓く、開かれた学校・学級経営の創造と推進」「地域に根ざし、家庭や地域と連携して豊かな心を育む教育活動の創造と推進」の3課題を据えている。

 ②は、主体的・協働的な学び合いによって、「共に高め合う」学習指導の創造が目標。課題は、「個性の伸長を重視した指導計画・実践・評価の改善と充実」「学ぶ意欲を高める指導方法の改善と充実」「主体性を育てる学習指導過程の改善と充実」の3点となっている。

 全国へき地教育研究大会と同じく70回目の節目を迎えた同大会は、オホーツクへき地・複式教育研究連盟が主管。大会スローガンに「オホーツクの大地に育つ子どもへ 未来を切り拓き 夢を実現する学びを」を掲げた。

 温泉委員長は開催に当たり、公開授業のライブ配信など新たな試みが行われることにふれ、①へき地教育振興法のもとすべてのへき地校職員の研修の機会が保障されたこと②GIGAスクール構想による学校のICT化の推進③コロナ禍のピンチをチャンスにしたこと―の3点で大きな意味をもつ大会となることを示した。

 「それぞれの地域や学校の特色を生かした教育実践を道内のみならず全国の仲間に発信し、研究の輪が一層広がることを心から祈念する」と言葉を寄せた。

 新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、初の試みとしてすべての日程をオンラインで実施。

 初日は、分散会を行った。北斗市立石別小学校の齋藤政洋校長、根室市立海星小学校の中田宗秀教諭、礼文町立香深井小学校の菊地俊雄校長の3人が長期研究推進計画に基づく実践研究について提言した。グループ協議の際は、ウェブ会議システムZoomのブレイクアウトルーム機能を活用し、活発に意見を出し合った。

 2日目は、佐呂間町立若佐小学校、湧別町立開盛小学校、滝上町立濁川小学校、雄武町立沢木小学校、北見市立上仁頃小学校、北見市立豊地小学校の6校の公開授業をライブ配信した。動画投稿サイトYouTubeで期間限定の見逃し配信も行った。

 各分散会の概要はつぎのとおり。

▼分散会=(学校・学級経営)

▽発表題=ふるさとで学び、新しい時代を拓く、開かれた学校経営の創造

▽提言者=北斗市立石別小学校・齋藤政洋校長

▽概要

・ふるさとへの愛着と誇りの育成を図る学校経営の創造

・外国語、国際(異文化)理解に親しみ、コミュニケーション能力の育成に向けての取組

・ふるさと学習を活用した、教科等横断的な学びと開かれた教育課程への取組

▼分散会=(学習指導①)

▽発表題=主体的・対話的に深く学ぶ児童生徒の育成~学び合いを意識した授業デザインを通して

▽提言者=根室市立海星小学校・中田宗秀教諭

▽概要

・学びの作法の育成

・全体学習の効果的活用

・対話と協働の場面設定

・学びの質を高める課題提示

▼分散会=(学習指導②)

▽発表題=主体的に学びを深めていくことのできる子どもの育成~楽しくわかる授業づくりを通して

▽提言者=礼文町立香深井小学校・菊地俊雄校長

▽概要

・学校の概要

・研究の実践

・特色のある教育活動=香小コンブの取組、礼文型教育連携

・今まで取り組んできた成果と課題

(関係団体 2021-09-29付)

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