札幌市教委 小中連携・一貫教育推進事業モデル研究 令和元~2年度 東白石中 自信もち巣立ちへ 栄南中 9年間見通し活動工夫
(札幌市 2021-10-05付)

 札幌市教委は、子どもの継続した成長を支えるため、校種間の連携を密にした小中一貫した教育に取り組んでいる。市研究開発事業の小中連携に関する実践研究において、平成30年度から中学校8校と小学校16校、小中学校1校の計25校の研究推進校で研究推進会議を開催。小中連携の在り方について検討しながら、教育課程や児童生徒理解等にかかわる実践的研究を進めてきた。令和4年度からは、すべての市立小学校と中学校で小中一貫した教育を実施する。令和元~2年度におけるモデル校5校の取組を連載で紹介する。

◆東白石中パートナー校(東白石中学校、東白石小学校、大谷地小学校、本郷小学校)

【研究テーマ】

 小中一貫教育で目指す15歳の姿「自信あふれる姿での巣立ち」

【研究内容】

▼目指す子ども像の共有

▽地域の実態を踏まえ、中学校を卒業する生徒の姿をイメージした、小学校・中学校の9年間で育てる子ども像を4校で共有する

▼小中一貫した学びの実現

▽目指す子ども像を具現化するために、子どもの学びを中核に取り組む。その内容を4校の学ぶ力育成プログラムにも反映させる

▼継続的な子ども理解

▽4校が連携するために交流会を行い、子ども理解の上で取組を進めた。

【具体的な取組】

 校長は、必要に応じて校長会議を開催。全体の指導・調整・助言した。

 教頭・教務主任は、8、10、12、2月に実務担当者会を開催。企画の立案や交流会の進行を担った。

 11月には、校長と教頭・教務主任が連携し、4校全体で目指す子ども像策定のためのアンケートを実施。11月22日に「学び」について、翌年1月16日に目指す子ども像について交流した。

【成果】

 「知る」を目的に4校の教職員が集まる交流会を2回行い、教員同士の交流を図るとともに、子ども理解の上に立った子ども像を策定できた。

【課題】

 日程の調整に時間がかかる。

【次年度に向けて】

 本年度中に、次年度の推進日程を決めて活動を行えるようにする。

4校の教職員全員が集まり、取組の方向性を確認する。

◆栄南中パートナー校(栄南中学校、元町北小学校、栄南小学校)

【研究テーマ】

 「目指す15の春の姿」に向けて9年間を見通した活動の工夫~児童・生徒の交流、教職員の交流・連携

【研究内容】

▼目指す子ども像の共有

▼継続的な子ども理解

〈目指す15の春の姿 小中一貫した教育で目指す子どもの姿〉

▽自らが、学びをすすめ、こころを豊かに、たくましく挑戦する児童生徒

①自ら考え、仲間と協力し、主体的に学ぶ児童生徒

②仲間を思いやり、自分も大切にする児童生徒

③夢や志をもち、その実現に向けて挑戦し続ける児童生徒

【具体的な取組】

▼6年生の中学校訪問は、中学1年生との交流と授業見学。6年生の不安を小さくし、中学1年生の育ちを実感するWin―Winな取組

▼HIBIKI―6手帳を次年度6年生で活用決定。小学校から中学校へ継続した児童生徒理解と自分理解の促進

▼SMSの会など既存の会や組織を基盤にした地域の力を再確認

▽学び

 教職員間の交流(道徳研究、公開授業、教員研修、学校行事、出前授業)。

 栄南地区サタデースクールとの連携(吹奏楽、学べんに両小学校参加)。

▽子ども理解

 健全育成推進会(2回)、引継ぎ、日常の情報交流。

▽仕組みづくり

 SMSの会(S=栄南小学校、M=元町北小学校、S=栄南中学校)。

 管理職間交流、担当者会議の実施。

【これまでの成果と課題、今後の取組】

▼成果

▽PTA・地域の支えの中で各種行事を実施

▽小学6年生の1年後の育ちを実感した中学校訪問

▼課題

▽児童生徒、教職員の交流をより進めるなどして、教職員の意識改革

▽各校の要望に応じた交流(部活動、学びの手立て、出前授業、保護者説明など)

▼今後の取組

▽HIBIKI―6(手帳指導)など連携可能な活動の整理と実践の深化

▽「15の春の姿」を想像可能にする合唱指導見学や部活動見学などの取組実施

(札幌市 2021-10-05付)

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