札幌市　ヤングケアラー調査案改訂　家庭でのウェブ回答に　調査票は所属校名の欄削除

（札幌市 2021-10-04付）

　札幌市子ども未来局は、１０～１１月にかけて予定しているヤングケアラー実態調査の実施方法・調査票の案をまとめた。８月に示した当初案を改訂したもの。調査は、学校での実施を取りやめ、パソコン・スマートフォンを使用して各家庭から回答する方法とこととした。調査票については、ヤングケアラーに当てはまる児童生徒が特定される可能性などを考慮し、所属校名の記載欄を削除した。

　ヤングケアラーは、本来、大人が担うとされる家事や介護、幼いきょうだいの世話などを日常的に行っている子どもを指す。勉強する時間が確保できないなど、子どもが本来守られるべき権利が侵害され、結果的に子どもの将来に影響を及ぼす恐れがあるとして、本人や家族への支援が求められている。

　市は、ヤングケアラーの実態調査実施に向け、６月に、市教委および保健福祉局、子ども未来局で構成する子ども・子育て会議を設置。調査項目や調査方法に関し協議を重ねてきた。

　８月に行われた第３回児童福祉部会では、子ども未来局が作成した調査方法案などをもとに協議。９月２４日には、第４回児童福祉部会を書面開催し、調査方法・調査票の変更案に関する意見を集約した。

　児童生徒対象の調査方法は、当初案のホームルームなどでの校内実施から、パソコン・スマートフォンを使用して各家庭から回答する方法に変更。家庭にインターネット環境がない場合は、紙媒体の調査票を配布する案に改めた。

　調査票は、小規模校の場合、回答者が特定されることなどを踏まえ、児童生徒用、学校用ともに、所属校名の記載を削除した。

　今後は、委員の意見を取りまとめ、調査方法・調査票の内容を決定していく。

(札幌市 2021-10-04付)