上川高魅力向上推進協議会 海外研修の拡充検討 1人1台端末導入を支援(学校 2021-11-11付)
上川町唯一の高校存続へ協議した
【旭川発】本年度第1回上川高校魅力向上推進協議会(鎌田康雄会長)が10月上旬、上川町内のかみんぐホールで開かれた。協議会委員や役場・町教委職員らが出席し、上川高魅力活性化プロジェクトの進ちょくや企画内容について協議。今後の展開として、1人1台端末の導入支援や海外研修の拡充を検討していることなどを確認した。
同校では年々入学者が減少しており、今後の存続が危ぶまれている。町内唯一の高校閉校による地域の衰退を懸念した町は、地域との連携を一層図り、魅力ある高校づくりを目指すため、ことし3月、町商工会長、社会福祉協議会長、町内各校の校長・PTA会長など12人で構成する上川高校魅力向上推進協議会を発足。さらに本年度から、具体的な方策を検討するため「上川高校魅力活性化プロジェクト“かみってる”」を立ち上げた。
現在、町役場職員からなる職員プロジェクトチームと地域住民ら6人からなる地域プロジェクトチームの2チームで企画・提案等を行い、協議会の助言等をもとに取組を進めている。
協議会は3月の発足以来、新型コロナウイルス感染症の影響などで開催が延期され、この日が第2回の会合となった。
鎌田会長によるあいさつのあと、町役場総務課企画グループの池端広大係長がプロジェクト関連会議等の開催状況や具体的な取組内容を報告した。
地域における高校の重要性や、同校が置かれる厳しい現状をあらためて確認した上で、生徒アンケート結果から分析した課題を提示。町民等への「情報発信」と、学習環境整備・キャリア教育による「将来への可視化」に焦点を当て、町内外から同校を応援する人材「上高サポーター」の支援のもと①かみゼミ(中高大一貫教育)②かみキャリ(キャリア教育)③かみコミュ(グローバル論)④かみサポ(進路サポート)―の4つの視点から魅力化を推進する方向性を伝えた。
①では、現在の中高一貫教育に「大人」を加え、地域課題解決に向けた探究活動や、部活動と地域クラブをつなげる取組を展開。②では、高校生を社会人1~3年生と位置づけ、より社会に近い形でのインターンシップなどを行う。
③では、既存の海外研修の拡充や、海外の学校とのオンライン交流などを検討。④では、より個別最適な学びを実践するための習熟度別学習や、タブレット端末を活用した授業の支援などを企画している。
特に次年度に向け、③で海外研修の拡充、④で次年度の1年生への1人1台タブレット端末の支援を重点に取り組んでいくことを説明。また、今後の展望として、高校と地域を結ぶコーディネーターを配置し、コミュニティ・スクールを設置して組織体制を強化する考えを伝えた。
説明を踏まえ、委員からは「構想が多岐にわたって示されているが、1つ目玉を設けた方がいいのでは」「上高に来たら海外に行けることが、目玉になれば魅力的になると思う」「今の高校生に自校の魅力を語れるようになってほしい」「生徒が多くの時間を過ごす授業や学習の支援を大事にしてほしい」など様々な意見が寄せられた。
(学校 2021-11-11付)
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