道小学校家庭科教育連盟道南大会 よりよい生活 創り出す
(関係団体 2021-11-24付)

道小学校家庭科教育研究大会道南大会
大沼岳陽学校7年生の授業風景

 【函館発】道小学校家庭科教育連盟(石澤優子会長)は12日、第59回道小学校家庭科教育研究大会道南大会を北斗市立上磯小学校と七飯町立大沼岳陽学校で開いた。管内市町の教職員など29人が参加。大会主題「持続可能な社会の実現に向け、よりよい生活を創り出そうとする子どもの育成」のもと、上磯小の南澤綾都教諭と大沼岳陽学校の竹林かほり教諭が授業を公開し、小・中5年間の系統的な学びに向けた指導を実践した。

 道南大会実行委員会では、家庭科教育を義務教育の5年間を見通した授業の構築を目指している。5年間の学びの見通しによって、身に付けた力を活用する場面の設定や、気づき・疑問をより学びに位置付けることができると考え、大会主題を「持続可能な社会の実現に向け、よりよい生活を創り出そうとする子どもの育成」と設定した。

 道南地区では、以前から中学校技術・家庭科教育研究会と交流を重ねていることから、大会では中学校の授業も公開。5年間の学びのつながり、指導の在り方をイメージできるようにした。

 研究の視点は、①日常生活から、疑問や気づきを生む題材構成②子どもの言葉や行動が変化する教師のかかわり―の2点。

 ①では、「生活を見つめ必要感をもって学ぶことができる課題設定の工夫」など2点を、②では、「多面的に生活を見つめ、課題を明確にしながら学び続けることができる資料提示や発問の工夫」など2点を学習の手立てとした。

 2つの授業公開のうち、上磯小6年(児童数32人)では、南澤教諭が「生活を豊かにソーイング~“袋づくり”で生活を豊かに!」を指導した。

 本時は、10時間扱いの3時間目。「自分のつくりたい袋に必要な縫い方や工夫を見つけ、それを反映させた製作計画を立てることができる」を目標に定めた。

 授業では、視点①と手立てに着目し、ひもの付け方や縫い代の取り方に気づくことができるよう、見本の袋をほどいて観察する活動を位置付けた。

 また、視点②から袋を縫う手順や工夫など、分かったことを書き込みながら製作計画をまとめることができるよう、ワークシートを活用した。

 大沼岳陽学校7年(生徒数13人)の技術・家庭科における家庭分野では、竹林教諭が「住生活と自立~自然や人にやさしい住まい方」を指導。

 7時間扱いの3時間目となる本時の目標は「持続可能な社会の実現に向けて、住まい方を工夫することの大切さが分かり、実践しようとする」と設定した。

 竹林教諭は「持続可能な社会の実現を目指す住まい方を考えよう」を課題とし、生徒が多様な考えに気づくよう、タブレット端末を用いて全体の意見を可視化した。

 視点②から本時の見通しをもてるよう、日本の伝統的な家屋やゼロエネルギー住宅などの写真を提示。これまでの学習内容を教室内に掲示して確認できるよう配慮した。

 生徒は課題に対し、「高齢者がいる家庭では転倒しない床材の工夫、風通しや明るさの確保から大きな窓の設置が必要」と話すなど、様々な工夫を発表。自分の考えをタブレット端末のアプリケーションソフトJamboardで入力するとともに、友人の考えを画面で確認した。

 研究協議では、4グループに分かれて視点①と②の手立てについて成果と課題を協議した。

 助言した上川教育局義務教育指導班の佐藤鮎美主任指導主事と石狩教育局義務教育指導班の中脇尚子指導主事は、「小・中5年間を見据え、身につけさせる資質・能力を明確にしていた」「題材を貫く学習課題を設定し、それに基づいて題材デザインを描き、授業を構築していることなどを研究の成果に挙げていた」と評価。

 今後の課題については、「子どもにも題材の見通しをもたせるため、題材全体を見渡せるワークシートの活用が大切」「主体的に学習の取り組む態度は、子どもの粘り強さや自己調整の発揮場面を意図的に設定する」などとした。

 同連盟は、12月中旬から令和4年1月中旬にかけて授業を限定配信予定。会員による研究協議は冬季研修会で実施する見通し。

(関係団体 2021-11-24付)

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