飯田大会長 円滑な接続不可欠 第63回中高英研 提言発表など研鑚(関係団体 2021-11-29付)
道内の英語教諭約130人が参加した
第63回北海道中学校・高校英語教育研究大会(=中高英研)が19日、ホテルライフォート札幌で開かれた。各研究会の会員など道内の英語教諭約130人が参加。研究主題「中高連携を踏まえた英語教育をどう進めるか」のもと、提言発表や公開授業、上智大学の和泉伸一教授による講演を通して、時代の要請の応える授業実践の在り方について研鑚を積んだ。
主催は、道中学校・高校英語教育研究会、道中学校英語教育研究会、道高校英語教育研究会。大会は、中学校、高校の英語教諭が一堂に会し、より望ましい英語教育の在り方を中高連携の視点から追究することを目的に開催。新型コロナウイルス感染症の影響によって、2年ぶりの開催となった。
開会式では、大会長を務める札幌丘珠高校の飯田知男校長があいさつ。新学習指導要領において、「グローバル化や情報化に対応できる能力を有する子の育成が重視されている」と強調。GIGAスクール構想に伴うBYODへの対応、ICTを活用した授業実践の重要性の高まりとともに、中高の円滑な接続も一層不可欠になっていることを指摘し、「純粋で新鮮な驚きを伴う学習動機を生徒に与えつつ、時代の要請に適切に応える実践を意欲的に進めていくことが重要」と訴えた。
引き続き、札幌市立西野中学校の山口修司教諭が「発信力の基礎を身に付ける段階的リテリング」、札幌北高校の齋圭治朗教諭が「札幌北高における英語アクティブ・ラーニングと4技能の実践」と題して提言発表した。
山口教諭は、リテリング(英文を聞いたり読んだりしたあと、キーワードや絵をヒントに英文を再構成して、自らの言葉で話す活動)を取り入れるメリットとして、「頭の中で内容と言語を処理する」「使用する語いや表現を調整して表現する」ことなどを挙げた。
一方で、生徒が自ら概要や要点をとらえ、内容を整理し英語で表現することは「難易度が高い」と説明。発問のポイントに、①全体像をとらえる②要点をとらえる③自分事としてとらえる④自分とつなげる―の4点を示すとともに、リテリングの前段階における「新出語の確認と本文の内容確認」を重視。母語で行う「テキストの内容理解を手助けするための再話」を一層充実させる必要があると指摘した。
齋教諭は、国のアクティブ・ラーニング実践研究拠点校として、平成28~29年度の2ヵ年で取り組んだ内容を説明。教師中心の授業から生徒中心の授業への転換、リスニング・スピーキングテストおよび英語プレゼンテーション大会の導入、リテリングの実施などを新たに取り入れたことを示し、「成功に向けて、英語科教諭、学年団の共通理解・協力体制構築や、管理職の後押し、生徒たちの力を信じることが必要」と強調した。
このあと、札幌国際情報高校の阿部成道教諭が授業の収録映像をもとに、日々の実践を紹介した。
講演を行った上智大の和泉教授は、言語と内容のつながりを意識して教えるソフトCLIL(内容言語統合型学習)の有効性を指摘。英語主体の授業で生徒に内容を理解させることや学びへの動機づけ、学習面での配慮などの課題を解決する手段として、課題達成型活動を活用しながら指導を織り交ぜる授業展開を説明した。
(関係団体 2021-11-29付)
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