4定札幌市議会代表質問(令和3年12月2日)(札幌市 2021-12-06付)
◆得意分野の学習 発展的に実施へ 特別支援教育
特別な支援を必要とする子どもの教育が取り上げられた。
市内の特別支援学級では、学校全体の支援体制のもと、障がいや特性等に応じて個別の教育支援計画を作成し、体験的な学びを通して基本的な知識・技能や社会性を育むなど、きめ細かな教育を進めている。
一方、障がいの多様化や複雑化が進む中、保護者の共通理解のもと、医療や福祉等の関係機関との連携を強化するなど、多様な教育的ニーズに応じた指導の充実が求められている。
市教委の檜田英樹教育長は「今後は、障がい等に基づく困難さに応じたこれまでの取組に加え、子どもが得意とする特定分野についての発展的な学習を実施するなど、より一層学びの幅を広げていく」との意向を示した。
また、教育委員会としては、小中一貫した教育を全市で展開し、特別支援学級をはじめ、すべての子どもの学びの連続性を図るなど、共生社会の実現に向け、個性や多様性を尊重した教育を推進していく考えを示した。
村山拓司議員(自由民主党)の質問に対する答弁。
◆業務効率化目指し5年度開始へ準備 給食費公会計化
学校給食費の公会計化について質疑が行われた。
学校給食費の公会計化は、学校給食費を地方公共団体の会計に組み入れる公会計制度を採用すること。市では、令和5年4月から学校給食費の公会計化を検討しており、これに向け、来年度から各学校で行っている徴収管理業務を一括して管理する学校給食費等徴収管理システムを構築するとしている。
市教委の檜田英樹教育長は、公会計化について「納付方法の多様化による保護者の利便性向上をはじめ、学校全体の負担軽減によって教員が子どもたちと向き合う時間が増えるほか、業務の効率化が図られ、より質の高い教育の活動の実現につながる取組」との認識を示した。
そのため、学校給食費を適正に管理するシステム構築の準備を進めるとともに、新たな徴収手続きについて、学校の協力を得ながら保護者へ丁寧に説明し、円滑な移行に努めていく考えを示し、「今後も、引き続き国のガイドラインや他都市の先行事例等を参考にしながら5年4月からの開始を目指し着実に準備を進めていく」と述べた。
田島央一議員(民主市民連合)の質問に対する答弁。
◆ビジョン編4年秋 戦略編5年秋策定 まちづくり戦略
まちづくり戦略ビジョンにおける新ビジョンの策定スケジュールが取り上げられた。
市の計画体系で最上位に位置する戦略ビジョンは、「ビジョン編」と「戦略編」で構成するまちづくりの基本的な指針。ビジョン編では、施策の基本的な方向性や市民・企業・行政などの主体の役割を示すとし、戦略編では、ビジョン編に掲げた政策を実現するための手法や行政が担う施策を明記するとしている。
秋元克広市長は、見直し後の策定スケジュールについて、ビジョン編は本年度中に審議会から答申され、来年秋ごろに議案として提出する意向を表明。戦略編は、令和4年度中に審議会から答申を受け、5年秋ごろの策定を目指すとした。
村山拓司議員(自由民主党)の質問に対する答弁。
◆子の成長を支援 グリーフケアも 子育て等環境整備
子育て・福祉環境の整備について質疑が行われた。
町田隆敏副市長は「安心して子どもを生み育てられるまちづくりは、市の少子化対策として喫緊の課題であり、母子保健が果たす役割は非常に重要である」との認識を示した。
このため、次期まちづくり戦略ビジョンにおいて、少子化対策の根幹をなすものとして母子保健施策を位置づけ、次世代を担うすべての子どもの健やかな成長を支援していく考えを表明。「今後とも、親子の健康課題の解決に向け取り組んでいくことで、健やかに生み育てることができる札幌市を目指していきたい」と述べた。
また、母子保健におけるグリーフケアについて「わが子をなくしたときの悲しみは、周りが想像するよりはるかに深く複雑であるため、その気持ちを受け止め、整理をつけることができるよう支援することは極めて重要」との認識を示した。
そのため、深い悲しみをもった人々と接する機会のある保健師に対し、グリーフケアの研修を実施し、より適切な相談支援スキルの習得に努めていることを報告。「今後も、流産や死産を経験した女性に対し、一人ひとりの心情に寄り添いきめ細かに支援していく」と答えた。
村山拓司議員(自由民主党)の質問に対する答弁。
◆市民等の理解重要 まちづくり貢献も 冬季五輪招致
2030年の冬季オリンピック・パラリンピック招致について質疑が行われた。
秋元克広市長は、市が目指す持続可能なオリンピック・パラリンピックについて、「大会概要案の公表後、経費等を含め市民・道民の受け止めは様々である」とし、「今後は、既存施設の活用など、持続可能な大会の姿や、共生社会の実現といったまちづくりの効果を市民・道民に丁寧に説明し、理解してもらうことが重要」との認識を示した。加えて、大会を国家的プロジェクトとしていくため、日本オリンピック委員会とともに全国での機運醸成を進めつつ、国、経済界、競技団体とも連携を強めていくとした。
また、2030年大会は、まちづくりへの貢献を目指していることから「東京2020大会のレガシーである大会参画プログラムに気候変動対策や共生社会の実現といった新たなテーマを設定し、市民とともに課題の解決を進めるまちづくり運動の契機としていきたい」との意向を示した。
村山拓司議員(自由民主党)、田島央一議員(民主市民連合)の質問に対する答弁。
(札幌市 2021-12-06付)
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