【解説】長寿命化改修の事例　黒松内小

（解説 2021-12-14付）

　文部科学省が設置する新しい時代の学校施設検討部会は、１３日の第８回会議で学校施設視察の概要を報告した。教育環境の向上と老朽化対策を図る長寿命化改修として、７施設の整備事例を報告。道内からは、黒松内町立黒松内小学校の長寿命化改修を取り上げた。

　検討部会は学校施設の在り方に関する調査研究協力者会議の下に設置。８月の中間報告では、生活、共創、安全、環境の観点に基づく５つの方向性、学校設置者や国に置ける推進方策を示した。国においては、今後の具体的なビジョンを示す学校施設スタンダードの提示、学校施設整備指針の改訂などを提案した。

　１３日の会議では、１１・１２月に行った学校施設視察の概要を報告。道内からは、平成２４年度に長寿命化改修を実施した黒松内小の整備内容を紹介した。教育環境の向上に向けた事例として、地中熱ヒートポンプを活用した床暖房システム、校舎中央に明るさをつくるトップライトの設置、ＬＥＤ照明の採用などの省エネルギーの導入などを挙げている。

　会議ではこのほか、継続的な検討事項について協議。長寿命化改修を通して教育環境の向上と老朽化対策を一体的に推進する好事例を積極的に進めるため、自治体の財政状況や法的・技術的な課題を勘案したパターンを分類・整理するとした。

　また、取組を推進する際の課題を整理するため、設計プロセスの改善、構造体の改修範囲の見極め、法的制約や法解釈、施設の有効活用、整備コストなどの具体的事例から対応策をまとめる。

　今後は、学校施設整備・活用推進のためのプラットフォームの構築、新たな学校施設モデルの提示、学校施設整備指針の改訂に関する検討を進め、来年３月に最終報告を作成する予定。

(解説 2021-12-14付)