【解説】魔法のプロジェクト

（解説 2021-12-21付）

　魔法のプロジェクトは、スマートフォンやタブレットなどの携帯情報端末を教育現場に貸与し、障がいのある子の学びや生活を支援する実践研究プロジェクト。ソフトバンク㈱と東京大学先端科学技術研究センターが共同で平成２１年から実施し、これまでに延べ７００校が参加している。

　プロジェクトは当初、教員からの応募をもとにしていたが、自治体としての応募も可能となり、道（道教委）もことし４月から参加。道内の自治体では森町も独自に参加している。

　道教委は、札幌視覚支援学校、旭川盲学校、函館盲学校、帯広盲学校の４盲学校でICT機器を活用した効果的な学習や、各校をオンラインでつないだ対話的学習などを進めている。

　障がいのある子はそれぞれ困難を抱えているが、近年の高機能なタブレットやアプリを活用することで、弱視の子が文字を自分が読める大きさにまで拡大したり、全盲の子が読み上げソフトを使って音声で理解したりと、障がいによる困りを補うことができる。

　それには機器の操作や、教育現場での活用法の蓄積が課題となるが、プロジェクトではセミナーの開催や助言も行っており、機器の操作方法はもとより、特別支援教育における活用方法についても、東大先端科学技術研究センターの研究成果や、これまでプロジェクトで実践を進めてきた学校等の事例を知ることができるため、早期から効率的な活用が可能だ。

　ソフトバンクでは「障がいのある子の抱える困難はそれぞれ違うが、もしそれを人が助けるとすれば、常時、成人後も付き添わなければいけないことになる。しかし、ICT機器が補助できるのであれば、それはその子の能力として、将来にわたりずっと寄り添っていくことができる」と話している。

(解説 2021-12-21付)