【解説】性暴力等懲戒処分　２００人に

（解説 2021-12-23付）

　教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律が６月に公布。児童生徒へのわいせつ行為を「児童生徒性暴力」と定めた。防止のための基本理念、国・自治体・学校設置者等の責務を示し、施策を総合的・効果的に推進する基本的な指針を文部科学大臣が定めるとしている。

　文部科学省の調査によると、令和２年度における全国の公立学校の性犯罪・性暴力等にかかる懲戒処分等の人数は２００人。前年度に比べ７３人減少した。

　発覚した要因は、「警察からの連絡等」２８・５％、「管理職以外の職員への相談」２３・０％、「校長等管理職への相談」１８・５％、「本人または保護者以外の通報」１１・５％、「本人または保護者の通報」７・０％などと続く。場所は、「保健室・生徒指導室」「教室」などが多い。

　刑事告発の状況をみると、「刑事告発した・手続き中・捜査機関で情報を把握」１０３件、「犯罪には当たらないと判断し告発しなかった」３０件、「被害者や保護者が望まなかったため告発しなかった」３９件、「その他」２８件。

　文科省は、児童生徒性暴力を防止するため、執務環境の見直しによる密室状態の回避、教育指導体制の見直しによる組織的対応、SNSなど児童生徒との私的なやり取りの禁止の明確化などを求めている。

　今後は、わいせつ行為を行った元教員が再採用されないよう、特定免許状失効者等データベースの整備を計画。都道府県教委が直接入力した情報を各教育委員会や学校法人が即時閲覧できる仕組みを構築する。

　また、各教育委員会における研修・啓発、早期発見の定期的な調査、事案発生時の調査の取組状況などを把握・分析する新規事業を検討。モデル例や事例集を作成して提供することを予定している。

(解説 2021-12-23付)