【解説】クラウド更新の留意事項

（解説 2021-12-22付）

　文部科学省は、GIGAスクール構想年度更新タスクリスト案をまとめた。次年度のクラウドの更新作業に当たり、教育委員会や学校が確認すべき事項を整理して初めて示すもの。学習成果物などの取扱いでは、教育委員会がマニュアルを作成して学校に周知することを挙げている。

　２１日のＧＩＧＡスクール構想に基づく１人１台端末の円滑な利活用に関する調査協力者会議（第４回）で示した。

　「アカウント（ID）の更新」「端末の更新」「データの取扱い」「組織体制の整備」の４観点から関係者が取り組むべき具体的な事項をまとめた。

　端末の更新では、新年度の見込み児童生徒数から年度末までにほぼ完了し、転入・転出に応じて新年度の微調整で対応することが重要としている。

　このため、教育委員会において予定児童生徒数を踏まえた計画を作成して学校に通知すること、学校では通知に沿って端末の所在と状態を把握することを挙げている。

　学習成果物などのデータの取扱いに関しては、教育委員会でマニュアルを作成・周知することを挙げ、進級、転出入、進学、卒業時の留意事項を示した。卒業生の学習成果物の扱いでは、個人アカウントへの移行や外部媒体での提供など、教育委員会の方針に沿って処理する。

　このほか、年度更新の方針やスケジュールを定める組織体の設置、作業体制の整備など組織体制に関する確認項目を整理。全教職員に更新の基本的な考え方や手順を示すこととしている。

　文科省は、自治体の実情に合わせて教育委員会と学校の分担を調整するよう求めており、職員の指導者用アカウントの作業も必要なことから注意を呼びかけている。

(解説 2021-12-22付)