札幌市 ヤングケアラー実態調査 中高生4%が家族を世話 悩み相談経験なし7割程度(札幌市 2022-01-07付)
札幌市子ども未来局は、ヤングケアラーに関する実態調査の速報値を公表した。自分が世話をしている家族が「いる」と回答した中学生は4・3%、高校生は4・1%だった。このうち、世話をしている家族の続柄は「きょうだい」の割合が最も高く、中学生が72・1%、高校生が58・8%。世話の悩みに関する相談について、中学生・高校生ともに約7割が経験が「ない」と回答。その理由をみると、「相談しても状況が変わるとは思わない」が2割前後、「家族のことのため話しにくい」が1割程度に上ることが明らかになった。
調査は、教育現場や要保護児童対策地域協議会などにおいてヤングケアラーと思われる子どもを早期発見し、支援につなげる仕組みづくりを検討するための資料とすることを目的に初めて実施したもの。
市立中学校、高校、中等教育学校、特別支援学校(中等部・高等部)の112校、約5万1100人を対象に、昨年11月12日から12月10日の期間で実施。生徒用調査の有効回答数は3844件で、回収率は約7・5%だった。
調査結果をみると、自分が世話をしている家族が「いる」と回答した割合は、中学生が4・3%、高校生は4・1%。このうち、世話をしている家族の続柄は、「きょうだい」の割合が最も高く、中学生が72・1%、高校生が58・8%となった。
世話の頻度は、「ほぼ毎日」が最多で、中学生が61・2%、高校生は47・1%。平日1日当たりの世話にかける時間は、「日によって違う」が最も高く、中学生が40・3%、高校生が38・2%となった。一方で、中学生の2・3%、高校生の5・9%が、「7時間以上」と回答した。
学校生活への影響については、「自分の自由になる時間が取れない」が最多で、中学生34・9%、高校生35・3%となった。また、「勉強する時間がとれない」「自分が自由に過ごせる場所がない」などの回答が多かった。
世話の悩みについての相談経験では、中学生の72・9%、高校生の67・6%が「ない」と回答。その理由では、「誰かに相談するほどの悩みではない」の割合が最も高く、中学生が68・1%、高校生が52・2%となった。
「ない」と回答した理由を校種別にみると、中学生は「家族外の人に相談するような悩みではない」が20・2%、「相談しても状況が変わるとは思えない」と「相談した相手を困らせたくない」がともに18・1%、「家族のことのため、話しにくい」が11・7%となった。
高校生は、「相談しても状況が変わるとは思えない」が17・4%、「相談した相手を困らせたくない」と「家族のことのため、話しにくい」がそれぞれ13・0%、「家族外の人に相談するような悩みではない」が8・7%だった。
教師や周りの大人に支援してほしいことについては、「特にない」が中学生56・6%、高校生52・9%でともに最多。つぎに、中学生は「自分の自由に過ごせる場所がほしい」が19・4%、高校生は「自分の今の状況について話を聞いてほしい」が23・5%で多かった。
確定値は、学校用の調査結果と合わせて、1月下旬に公表する予定。
(札幌市 2022-01-07付)
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