札幌市立高・特副校長・教頭会　大学入学前に相談を　研究協で札学院大教授講演

（札幌市 2022-01-11付）

障がいのある学生への支援・指導について学んだ

　札幌市立高校・特別支援学校副校長・教頭会（西川浩司会長）は、昨年１２月下旬、ライフォート札幌で３年度第４回研究協議会を開催した。会員など１５人が参加。札幌学院大学心理学部臨床心理学科の斉藤美香教授による講演などを通して、障がいのある高校生に対する大学の支援状況などについて理解を深めた。　　斉藤教授は冒頭、平成５～２６年までの期間、国内の大学に通う障がいのある学生の人数・種別をグラフで示した。視覚や聴覚、肢体不自由の障がいのある学生の人数がほぼ横ばいなのに対し、精神障がいや発達障がいは年々増加傾向にあり、２６年は全体の約４０％を占めていると説明した。

　その上で、発達障がいのある学生の大学生活について、「大学は自身で選択する場面が多く、自主性が求められる。高校のようにサポートしてくれる担任などもいないため、発達障がいのある学生には困難が多い」と指摘した。

　一方で、「精神障がいや発達障がいのある高校生は、他の障がいのある生徒と比較して入学前の相談数が少ない傾向にある」と述べ、入学前に大学に相談するよう呼びかけた。

　まとめでは、大学入学以前に身に付けてほしい力として、①自己マネジメント②教育マネジメント③対人関係でのマナー④自己理解⑤主体性と意思表明―の５点を挙げ、各校での指導・育成を求めた。

(札幌市 2022-01-11付)