旭川聾小学部 3校と遠隔交流 同年代と過ごす機会に 道外と接続 道内聾で初(学校 2022-01-07付)
画像を示し手話を交えながら発表する旭川聾の児童
旭川聾小学部 3校と遠隔交流
同年代と過ごす機会に
道外と接続 道内聾で初
【旭川発】旭川聾学校(四木定宏校長)小学部は昨年12月上旬、道外の聾学校3校とオンライン交流授業を実施した。道外の学校と遠隔で接続するのは、道内聾学校として初めて。効果的な交流となるよう、これまで約8ヵ月かけて各校・地域のことを知るための書面交流を行ってきた。初回となるこの日は学校紹介やゲームなどを行い、他校の同年代と同じ時間を過ごす貴重な機会となった。
他の聾学校や同世代の児童について知るとともに、他地域への関心をもつきっかけをつくることが目的。旭川聾5人、愛知県立岡崎聾学校13人、熊本県立熊本聾学校9人、島根県立浜田ろう学校2人の4~6年生がZoom越しに交流した。
学校規模が小さく、1学年の児童数が少ない各校では、多くの同学年との集団学習の機会が少ない。コロナ禍にあっては、外部との交流機会が一層減少してしまう課題があった。
これらの課題を何とか解決しようと、前年度末に岡崎聾がオンラインでの地域交流を発案。4校に加え、聴覚障害者などが学ぶ筑波技術大学が技術・機器支援を行うことから、5校が連携する「ペンタゴン交流」と名づけられた。
同校ではこれまで道内聾学校とつないでオンライン授業を行う機会はあったが、道外との交流は初めて。道内聾学校としても初の取組となる。
回数が限られている交流をより効果的なものにするため、4月当初から約8ヵ月かけ、計画的に事前学習を展開してきた。
具体的には、児童一人ひとりのプロフィールを交換し合ったり、浜田ろうが前年度収穫したひまわりの種を4校同時に育てて比較したり、全国聾学校うまいもの市と題してご当地給食の献立を交流して実際に給食で食べたりして互いのことを知るきっかけをつくってきた。
第1回目の交流となったこの日は、はじめに各学校や地域について紹介。写真などで視覚的に示しながら、手話を交えてそれぞれ特色ある発表を展開した。
旭川聾からは、北海道の特徴や旭川で有名な食べ物・観光地などを紹介。浜田ろうから冬の気温についての質問が挙がり、マイナス30度を下回ることもあることを伝えると、画面の向こうから「すごい〓」などと驚きの声が上がった。
このあと、全員の気持ちを一つにして答えを合わせるゲームなどを行い、児童は笑顔で楽しんでいた。
交流のあと、6年生の小松侑生君はゲームで白熱したことや印象に残った他校の発表を振り返りつつ、「今度はほかの学校とも交流してみたい」と今後の交流に意欲をみせていた。
担当した旭川聾の宮町悦信教諭は「同学年の児童と顔を合わせて生で交流することができる大切な機会」とオンライン交流の効果を実感。2月に旭川聾の進行で2回目の交流を行うことが決まっており、「次年度以降も継続し、今後は教科指導の場面でも活用していきたい」と展望していた。
(学校 2022-01-07付)
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