釧路市教委　総合的学習の研修講座　ＩＣＴ　有効活用を　思考ツール　使い方など学ぶ

（市町村 2022-01-11付）

タブレットで思考ツールを使いながら話し合う参加者

　【釧路発】釧路市教委は昨年１２月中旬、釧路教育研究センターで研修講座「総合的な学習の時間の充実」を開いた。市内小・中学校・義務教育学校の教諭２１人が受講。総合的な学習の時間におけるＩＣＴ機器などを活用した授業の進め方などについて研修を深めた。

　講座は、総合的な学習の時間の指導計画作成や、ＩＣＴ機器の機能を生かした授業実践の説明・演習を通して、単元デザインと授業の在り方を探ることを目的に中学校重点講座として開催した。

　はじめに、市教委の渡部潤指導主事が、総合的な学習の時間における指導の要点を説明。指導計画の作成や実施に当たってのポイントなどを示したあと、子どもたちが物事を考えるための技法「思考ツール」の活用について解説した。

　ベン図などの思考ツールについては、釧路市立昭和小学校の渡辺達樹教諭による４年生「守ろう釧路の宝！湿原プロジェクト」の授業動画を視聴しながら活用している場面を確認。子どもの考えや意見を比較・分類・関連づける活動において、どのように使われたかを確かめた。

　つぎに、１人１台端末を活用した演習をペアになって実施。ロイロノートを使って、考えを比較するためのベン図や比較・分類しながら整理する座標軸などの思考ツールを体験した。

　うち、座標軸を活用した演習では「○○駅前いきいきプロジェクト」として駅前の活性化を図るという課題に対する様々なアイデアを比較・分類。「効果的だが実現が難しい」「実現可能だがあまり効果が期待できない」などを可視化・操作化することで、より効果的な案へと発展させた。

　最後に渡部指導主事は、子どもが思考ツールの有用性を理解し、様々な場で使いこなすことが、学習の質を高めることにつながるとした上で「総合的な学習の時間だけではなく、他の教科でも活用することが大切」とし、教育活動全般でのＩＣＴ機器の有効な活用に期待を寄せた。

(市町村 2022-01-11付)