【解説】コロナ禍の家庭間格差

（解説 2022-01-18付）

　㈱浜銀総合研究所と東京大学大学院は、文部科学省の委託調査「臨時休業時における児童生徒・保護者の対応―家庭・学校間の格差に注目して」の結果をまとめた。

　同研究所と東大大学院教育学研究科の中村高康教授ほか６人の調査研究者が協働し、令和３年１～３月に教育委員会、学校（小・中学校等）、児童生徒、保護者を調査した。有効回答数は都道府県・市区町村教委１０５０件、小・中学校６２７４校、小・中学生１８１３４件、保護者１７４２７件。保護者の最終学歴が４大卒か院卒は「大卒」（女性は短大高専卒を含む）、それ以外を「非大卒」に分類した。

　それによると、小学５年の保護者の世帯収入は「両親とも大卒」は７００万円以上が７２・７％なのに対し、「シングルマザー非大卒」は７００万円以上は２・０％に過ぎず、逆に２００万円以下が４０・１％と学歴によって大きく収入が異なっている。

　新型コロナウイルスによる生活への影響は「両親とも大卒」の３８・３％が「全く苦しくなっていない」、２・４％が「苦しくなった」と回答。対し「シングルマザー非大卒」は１０・８％が「全く苦しくなっていない」、２２・９％が「とても苦しくなった」と回答。

　中学２年生の休校期間中の学習状況は、両親とも大卒は宿題を「ほぼ毎日した」が５７・１％、「週に数日した」が４０・４％。シングルマザー非大卒は「ほぼ毎日した」が４４・０％、「週に数日した」が５１・２％。

　宿題以外の勉強は、両親とも大卒は４２・２％が「ほぼ毎日した」、４０・０％が「週に数日した」、１７・８％が「しなかった」に対し、シングルマザー非大卒は「ほぼ毎日した」が１９・４％、「週に数日した」が３８・７％、「しなかった」が４１・９％となっている。

(解説 2022-01-18付)