【解説】高校の日本語指導制度化案(解説 2022-01-26付)
文部科学省は24日の中央教育審議会教育課程部会第127回会議で、5年度からの運用開始を予定している高校における日本語指導の制度化案を示した。修得単位数は21単位を超えない範囲とし、卒業までに履修させる単位数に含めることを可能とする。
特別の教育課程による日本語指導は、平成26年に小・中学校で制度化。日本語で行われる学校生活や学習活動への参加が困難な外国籍または日本国籍の児童生徒に対し、特別の教育課程を編成し、在籍学級とは別の教室で個別の指導を行うことができる。
小・中学校と同様、高校でも日本語指導が必要な生徒の在籍者数は増加傾向にあり、平成30年度の調査では4172人と10年間で2・7倍増加。高校段階の生徒の中退率や卒業後の非正規雇用率が高く、大学などへの進学率は低い状況となっている。
高校の日本語指導の制度化案をみると、対象は高校のほか中等教育学校の後期課程、特別支援学校の高等部を含む高校段階の生徒。指導形態は小・中学校と同様、原則在籍校における指導としつつ、他の高校の授業を在籍校の授業と見なす他校通級の形も可能に。
特別の教育課程による日本語指導を高校の教育課程に加える、または一部に替えることができるが、高校教育の中核となる「必履修教科・科目、総合的な探究の時間、特別活動」や「普通科以外の普通教育を主とする学科で全生徒に履修させる学校設定教科・科目」「専門学科で全生徒に履修させる専門教科・科目」「総合学科の産業社会と人間」などに替えることはできない。
改正法令案に関するパブリックコメントを実施しており、3月末までに関係規則等を改正する。授業づくりや指導体制づくり等のガイドライン作成など、本格運用に向け準備を進める。
(解説 2022-01-26付)
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