【解説】小児コロナ患者の実態調査
(解説 2022-01-27付)

 国立成育医療研究センターは25日、新型コロナウイルス感染症のデルタ株流行期における小児患者の実態調査を公表した。流行期に集中治療室に入院した小児患者の割合は1・4%。デルタ株以前の0・1%を大きく上回った。

 感染力が強いとされるデルタ株流行期における小児患者の臨床的特徴や重症度の変化等を調べた。国立国際医療研究センターが運営するレジストリを利用し、国内の小児コロナウイルス患者の特徴をデルタ株以前(2年10月~3年5月)とデルタ株流行期(3年8~10月)に実施。対象は、新型コロナウイルス感染症に罹患して入院した18歳未満の小児患者1299人(デルタ株以前950人、デルタ株流行期349人)。

 調査結果をみると、デルタ株流行期の患者年齢の中央値は7歳で、流行前の10歳と比べ低く、基礎疾患の割合は12・6%と流行前の7・4%を上回った。

 集中治療室への入院を要した患者は1・4%(デルタ株以前0・1%)。それぞれの時期で入院適応が異なる可能性もあり、集中治療室入院率の違いの解釈には注意が必要としつつも、少なくとも小児のコロナ患者数の絶対数の増加に伴い、集中治療を要する患者が増えることを示している。

 また、デルタ株流行期における無症候性患者の割合は10・3%(同25・8%)、酸素投与ありの患者が3・2%(同2・1%)、入院期間の中央値は7・0日(同8・0日)。一方、人工呼吸管理を要する患者や志望した患者はいなかった。

 同センターは、小児の入院適応やワクチン接種の対象などを考える際の基礎データとしての利用に期待。医療環境によって入院例の疫学的・臨床的特徴が異なる可能性もあるとし、オミクロン株の影響など引き続き検討する必要があるとしている。

(解説 2022-01-27付)

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