【解説】教頭の勤務時間 増加傾向
(解説 2022-02-04付)

 全国公立学校教頭会(長谷川右会長)の3年度調査結果がまとまった。副校長・教頭の通常日の勤務時間は増加傾向にあり、「12~13時間」が前年度比0・8ポイント増の32・3%。週休日の出勤状況は改善した一方、有給休暇の取得日数は減少傾向にある。

 対象は全国45都道府県2万923校への団体調査と会員2万747人(回答率75・2%)への個人調査。

 副校長・教頭が主に時間と労力を費やしている職務内容は「各種調査依頼等への対応」が93・9%と最も高く、「保護者・PTAとの連携」「施設・設備管理」「感染症等による不測の事態への対応」と続く。負担を感じる職務は「苦情対応」が72・8%と高い。

 有給休暇の取得状況は依然として少なく、「1日以上5日未満」が50・8%と最も多かった。一方で「5日以上10日未満」「10日以上15日未満」「15日以上20日未満」の割合は減少している。

 週休日の出勤状況をみると、「10日未満」36・7%。「10日以上20日未満」27・0%、「20日以上30日未満」12・7%など。

 過去3年間では「20日以上」が減少、「10日未満」が増加しており、改善傾向にある。

 副校長・教頭に必要な資質・能力は「豊かな人間性」が53・1%で、「危機管理能力」「校長と連携する力」「学校ビジョン実現の組織マネジメント力」「決断力」の順に多い。

 校務支援スタッフ配置による副校長・教頭への効果として、76・5%が「事務的な仕事が減った」と回答している。

 配置が求められている教職員は「専科教員」が44・8%と高く、「ICT支援員」「特別支援教育担当」「GIGAスクールサポーター」「少人数指導(習熟度別、TTなど)」の順に多かった。

(解説 2022-02-04付)

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