【解説】教室の温度基準を引き上げ(解説 2022-02-15付)
文部科学省は、学校環境衛生基準で定める教室内の温度と一酸化炭素濃度の基準の見直しを予定している。児童生徒への健康面への影響を踏まえ、望ましい温度の下限を現行の17度から18度へと変更。一酸化炭素の含有率は現行の10ppmから6ppm以下とする。4月1日から施行する。
学校環境衛生基準における望ましい温度の基準は昭和39年以来、「10度以上、30度以下」と設定していたが、冷暖房機器の一般家庭への普及に伴う児童生徒の温冷感や学習環境の変化から、平成30年度に「17度以上、28度以下」へと改定した。
世界保健機関(WHO)の『住宅と健康のガイドライン(2018)』では、室温の呼吸系疾患や心血管系疾患の罹患率の影響に関する知見から低温側の室内温度を18度以上へと推奨。また、一酸化炭素の長期間曝露によって感覚や運動能力の変化、認識能力、感情や精神、循環器系への影響などの関連が報告されており、WHOの『室内空気ガイドライン(2010年)』では、一酸化炭素の1時間値の24時間平均値として7mg/立方㍍(6・1ppm)を追加した。
これを受けて厚生労働省は、建築物衛生法施行令を一部改正。文科省においては学校環境衛生基準を改正し、望ましい温度の基準を「18度以上、28度以下」に、一酸化炭素濃度を「10ppm以下」から「6ppm以下」に変更する。
建築物衛生法施行令では、一定規模以上の建築物となる特定建築物を対象としており、対象となる学校数は平成30年度末時点で4089校。1棟当たりの延べ面積が8000平方㍍以上の学校・幼保連携型認定こども園は建築物環境衛生管理基準の適用対象となる。
現在パブリックコメントで3月11日まで意見を募集している。
(解説 2022-02-15付)
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