【解説】小児科医と教育分野の連携
(解説 2022-01-31付)

 日本小児科学会は、地域における教育分野との連携に関する調査結果をまとめた。疾患別では「神経発達症など精神・行動異常」と「医療ケアを要する児童」が多く、双方向性の連携が求められることが分かった。連携の発展に向け、小児診療における連携の重要性の認知、全国規模の教育・医療組織の連携システム構築の必要性を指摘する。

 医療ケアを要する子ども、不登校、精神疾患や神経発達症の診療には、小児科医と教育分野の連携が必要不可欠な一方、現時点で全国規模の調査や指針となる報告がない。このため、幼児教育施設や小・中学校、高校、特別支援学校や大学などとの連携の現状と課題、成功している連携の具体例を把握するための調査を開始した。

 調査時点は1次調査が2年3~7月、2次調査が同年9~10月。対象は日本小児科学会員で、1次調査で1253人、詳細な2次調査で330人から回答を得た。

 連携のある疾患別では、神経発達症などの精神・行動異常49・7%、呼吸・アレルギー24・1%、神経筋疾患23・3%など。連携の窓口になってもらってよかった職種は、養護教諭64・1%、管理職57・3%などと続いた。

 連携の課題、解決のアイデアとして、診療点数の算定化、学校と連携するための個人情報取り扱いガイドラインの作成、小児科専門研修による学校見学などを挙げている。

 連携の具体例では、教育委員会が抽出した要発達支援児を小児科医が学校訪問して診察するアウトリーチ医療や、教育委員会・自治体との組織的な連携、特別支援学校における調整役の設置など様々な取組があることが分かった。

 一方、連携の半数以上が、医師の勤務時間外に手当もなく行われている。

(解説 2022-01-31付)

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