道教委 授業改善チーム全道研 映像版実践資料を作成 2月末~3月末に動画配信(道・道教委 2022-01-31付)
実際の授業風景を映しながらポイントを解説。分かりやすく即実践に生かすことができる
道教委は26日、本年度学力向上推進事業授業改善推進チーム全道研修会を開催した。授業改善推進チームが作成した「指導と評価の一体化」「1人1台端末の活用」を目指した授業改善の映像版実践資料(動画)を視聴しながら、各チームが活用のポイントなどを説明。その後、動画をいかに学校現場に浸透させるかなどを協議した。映像による実践資料の作成は今回が初めて。道内小・中学校に2月末から3月末にかけて公開する予定。
道庁別館からオンラインで開催した。
映像版実践資料(以下、動画)は、授業改善推進チーム活用事業の配置校・連携校の優れた実践を動画による実践資料とすることで、全道の学校が児童生徒の学力向上に向けた取組を一層充実させることを目的に初めて作成したもの。
内容は、本年度重点の「指導と評価の一体化による授業改善の実践」と「1人1台端末を活用した授業改善の実践」。
「指導と評価の一体化による授業改善の実践」は、根室市チーム(国語)、苫小牧市・白老町チーム(算数)、旭川市中学校数学チームが作成。「1人1台端末を活用した授業改善の実践」は、旭川市端末活用推進チームの小学校・中学校チームが作成した。
今回の全道研修会では、授業改善推進教員、配置校管理職、関係市町村教委担当者、各教育局指導主事らとオンラインで結び、動画を視聴しながら各チームの説明を聞き、活用法等の理解を深めた。
「指導と評価の一体化による授業改善」のチームは、小学校5学年国語「大造じいさんとがん」(C読むこと)、同算数「三角形や四角形の角」(B図形)、中学校2学年数学「箱ひげ図」(Dデータの活用)の授業実践を取り上げた。
各動画は概ね10分程度で、冒頭に親しみやすいイラストと会話で分かりやすく概要を説明したり、全体構想図を提示したりと各チームの工夫が施されている。メインはいずれも実際の授業実践の映像と、それに合わせたナレーションや文字による解説。
努力を要する状況にある児童への教師の声掛けと、その後児童がどう変容したかを映し出し、手立ての有効さが直感的に分かるように工夫。
指導に生かすための評価も具体的に示し、事前に児童のつまずきや手立てを想定し、適切に見取り、指導を行うことで単元の目標に迫る様子を示し、「初任段階の先生に単元の構想をする前に見てほしい。児童の学びや手立ての実際を見ることで、イメージを共有できる」などと説明した。
また、「指導と評価の一体化は大変」「そんなことないよ。評価は授業者のメリットにもなるよ」といった会話から始まり、実際の授業で指導と評価の一体化を図っている場面を明示。教師の手立てによって、C評価だった児童がB評価に変容する場面などを映し出し、指導と評価の一体化の仕方を示すとともに、いかに授業に役立つかを分かりやすく解説した。
また、教壇に立つ教師と児童の様子を同時に映し、教師の発問によって学びが明確になった瞬間、子どもたちのやる気のスイッチが入った様子や、同じ授業を1回目に行ったときと、改善し2回目に行ったときの子どもたちの様子を映し、どんな発問や手立てでどう子どもたちが変わったかを浮き彫りにした。
一方、「1人1台端末を活用した授業改善」では、小学校チームが各教科におけるICTの活用事例を紹介。
生活科「学校にいる人に会いに行こう」の単元で、校長先生に質問している様子を児童が自ら動画撮影し、校長先生に送信してから会いに行く様子など、ICTの活用例を豊富に紹介した。
中学校チームは、クラウドサービスを活用した協働的学習を紹介。グーグルクラスルーム、グーグルスライドなどを使ったプレゼン資料の作成の様子や、自然と対話が生まれるような、協働的な学習の充実に向けた端末活用の事例などを豊富に示した。
このあと、授業改善推進教員、管理職、市町村教委が、それぞれの立場からどのように動画を学校現場に浸透させていくかなどについて協議した。
なお、動画はインターネットの動画配信サイト・ユーチューブで道内小・中学校に2月末から3月末にかけて公開する予定。
(道・道教委 2022-01-31付)
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