国立大学協会が入選基本方針決定 共通テスト「情報」追加 6年度から6教科8科目に
(道・道教委 2022-02-01付)

 国立大学協会(会長・永田恭介筑波大学長)は、1月28日の総会で6年度(7年度入学者選抜)以降に実施する入学者選抜制度の基本方針を決定した。6年度に実施する入学者選抜から、全ての国立大学が一般選抜第一次試験として、これまでの5教科7科目に「情報」を加えた6教科8科目を課すこととした。

 基本方針の概要をみると、一般選抜での大学入学共通テストと個別学力検査等の組み合わせは「大学入学者の学力水準を保証するとともに、多面的・総合的な評価によって、高い意欲・関心を有する多様な学生を受け入れるために極めて有効かつ適切な方法」と捉え、今後も堅持する。

 しかし、4年度から新学習指導要領が年次進行で実施され、必履修科目として「情報I」が設けられることとなったことから、6年度に実施される大学入学共通テストからは、出題教科に「情報」が加わる。

 国立大学においても、これからの社会に向けた人材育成の中で、文理を問わず全ての学生が身に付けるべき教養として「数理・データサイエンス・AI教育が普及しつつある」中で、高大接続の観点からも「情報」に関する知識については、「大学教育を受ける上での必要な基礎的な能力の一つ」と位置づけ、6年度に実施する入学者選抜から、全ての国立大学が一般選抜第一次試験として、原則としてこれまでの5教科7科目に「情報」を加えた6教科8科目を課すこととした。

 なお、6年度に実施する入学者選抜での経過措置問題を含む「情報I」の活用の方法等については、各大学が速やかにホームページを活用して公表するなど、「受験生に対して十分な説明を行う」としている。

 また、一般選抜では「知識・技能」を基盤とした「思考力・判断力・表現力」「主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度」の評価をより重視するため、「高度な記述式試験」を実施。全ての受験生に個別学力検査等で論理的思考力・判断力・表現力を評価することとした。

 具体的な内容・方法については各大学・学部の主体的な判断に委ねられるが、各大学・学部が募集要項等において出題意図、求める能力等を明確にした上で受験生に課す。

 また、学力試験では測ることのできない能力や態度をより適切に評価するため、調査書や志願者本人が記載する資料、面接等を活用する方法を検討し、実施可能なものから順次導入していく。併せて、各大学・学部は、調査書等をどのように活用するのかを募集要項等に明記する。

 試験日程については、今後も従来どおり前期日程と後期日程に分離して設定。募集人員の分割は各大学の裁量に委ねるなど、これまで実施してきた弾力化措置を含めた方式を維持する。

 また、「学力の3要素」を多面的・総合的に評価するため、一定の学力を担保した上で、調査書等の出願書類に加えて、小論文や面接、プレゼンテーションなど多様な評価方法を活用し、これら学力試験以外の要素を加味した「総合型選抜」「学校推薦型選抜」などの丁寧な入学者選抜の取組を加速・拡大する。

 総合的な英語力の評価については、各大学のアドミッション・ポリシーに基づき、様々な方法によって総合的な英語力の評価を行う。

 英語民間資格・検定試験等を活用する場合には、家庭環境や居住地域によって資格・検定試験等を受検することの負担が大きい入学志願者を考慮し、同一の募集単位において英語民間資格・検定試験等を活用しない募集区分の設定や、個別学力検査等の成績との選択的利用など、受験機会の公平性・公正性の確保について可能な範囲で配慮する。

(道・道教委 2022-02-01付)

その他の記事( 道・道教委)

理センと栗山町が中高授業交流会 高校教諭が中学校で授業 育成すべき資質・能力確認

理セン授業交流会  道立教育研究所附属理科教育センターなどは1月31日、栗山町立栗山中学校などで中高授業交流会を開いた。栗山高校の門脇敏彦教諭が栗山中で授業を実施。放射線測定器で教室内にも放射線が存在すること...

(2022-02-03)  全て読む

マイスターハイスクール運営委

第3回マイスターハイスクール運営委員会  道教委は1月28日、第3回マイスター・ハイスクール運営委員会をオンライン開催した。静内農業高校(佐藤裕二校長)の生徒が産業界と連携した1年間の学習内容を報告。佐藤校長による事業目標の成果報...

(2022-02-02)  全て読む

6団体1個人が栄誉に 空知局 3年度管内教育実践表彰

栗山小  【岩見沢発】空知教育局は、3年度管内教育実践表彰の受賞者を決定した。学校教育では、栗山町立栗山小学校、岩見沢市立中央小学校、滝川市立滝川第二小学校、砂川市立砂川中学校、滝川高校全日制、滝川...

(2022-02-02)  全て読む

各機関の調整役配置へ 厚労省 ヤングケアラー支援強化

 厚生労働省は4年度、ヤングケアラー支援体制強化事業の創設を計画している。関係機関や民間支援団体の調整役を担うヤングケアラーコーディネーターを新たに配置。実態調査や研修、オンラインサロン等の...

(2022-02-01)  全て読む

道教委・道警 連携強化へ新研修 非行防止教室等を充実 130校教員や警官対象に講義

 道教委と道警は3日、学校と警察の連携強化に向けた研修会をオンラインで初開催する。道内の公立学校約130校の教員と道警の各方面本部・警察署の警察官が参加する予定。教職員と警察官向けの講義をそ...

(2022-02-01)  全て読む

全国学力・学習状況調査 全ての児童生徒が、全国平均+10へ 宗谷教育局と管内市町村教委が学力向上へ連携 子どもの未来保障の実現を 必要な資質・能力を「今」、確実に

全学力・豊富小  【稚内発】宗谷教育局は、2年度から管内市町村教委と連携し「全国学力・学習状況調査で、全ての児童生徒が、全国平均+10ポイント」を目標に掲げている。目標実現のための学校経営の充実や教員の資質...

(2022-01-31)  全て読む

道教委 授業改善チーム全道研 映像版実践資料を作成 2月末~3月末に動画配信

道教委学力向上推進全道研修会  道教委は26日、本年度学力向上推進事業授業改善推進チーム全道研修会を開催した。授業改善推進チームが作成した「指導と評価の一体化」「1人1台端末の活用」を目指した授業改善の映像版実践資料(動...

(2022-01-31)  全て読む

斜里高 地方創生政策コンテスト 地元応援で道経産局長賞 3年連続受賞の快挙達成

斜里高・地方創生政策コンテスト受賞  【網走発】斜里高校(赤津博久校長)は、内閣府地方創生推進室主催の地方創生☆政策アイデアコンテスト2021で北海道経済産業局長賞に輝いた。同コンテストでの受賞は3年連続の快挙。観光ビジネスの...

(2022-01-28)  全て読む

安全教育実践事例 新たに生命の教育 道教委

 道教委は、3年度の安全教育実践事例集をまとめた。  生活安全・交通安全・災害安全など、小・中学校、高校20校の取組を掲載。今回、新たに現代的課題として関係機関と連携した生命の安全教育を取...

(2022-01-28)  全て読む

部活動地域移行に向け方策検討 施設管理委託を提案 スポーツ庁 兼職兼業例周知を

 スポーツ庁は26日、運動部活動の地域移行に関する検討会議(第3回)を開いた。スポーツ組織・団体への支援や人材確保の方策について検討。休日の学校体育施設の管理に当たっては、学校の負担となるこ...

(2022-01-28)  全て読む