道議会質疑 一般質問(3年9月28日)
(道議会 2022-01-31付)

【Q 質問Question A 答弁Answer P 指摘Point out O 意見Opinion D 要望Demand】

【質問者】

▼滝口直人議員(自民党・道民会議)

【答弁者】

▼鈴木直道知事

▼京谷栄一保健福祉部少子高齢化対策監

▼倉本博史教育長

◆BCP策定

Q滝口議員 道は、平成30年9月の北海道胆振東部地震を踏まえ、想定災害に大規模停電を追加し、本庁業務の適切な継続等の災害対応力の向上を図るため、令和2年3月に道庁業務継続計画を改定した。

 道教委が所管する学校等の教育関係施設は、幼児児童生徒の安全確保に向けた対応はもとより、市町村の地域防災計画に基づく避難所としての機能を求められる場合もあり、その公共性から、機関としての本来の役割とは異なる観点で業務継続計画策定の検討を行う必要がある。

 道や市町村では、すでに業務継続計画を策定しているが、絶えず内容を充実させていく必要があり、また、いまだ策定数を明らかにしたことがない学校等の教育関係機関、企業では、業務継続計画が未策定となっているところがあることから、各機関は、できるだけ早く業務継続計画を策定し、その対策を事前に準備することが必要と考える。

 業務継続計画について、知事および教育長の認識を伺う。

A鈴木知事 業務継続計画について。災害時に、道民の生活や本道の経済への影響が最小限にとどまるよう、行政や企業が優先的な業務などを定める業務継続計画、いわゆるBCPを策定しておくことは極めて重要である。

 このため、道では、市町村を対象とした国と共同実施の研修会や、中小企業に対しては、作成の手順や事例をホームページで広く周知するとともに、ノウハウを有する大手企業と連携したセミナーの開催や専門家の派遣などの取組によって、BCPの策定を促してきている。

 現在、全ての市町村でBCPを策定しているものの、非常用発電機の確保など、国が特に重要な要素としている6項目を全て満たしている市町村は42にとどまっている。

 また、中小企業でBCPを策定しているのは、民間の調査によると、13・5%となっている。

 道としては、今後とも、国や関係団体とより一層連携・協力しながら取組を進めるとともに、災害対応の主体となる市町村に対しては、課題把握のための調査に加えて、直接訪問をするなどして、BCPの実効性の向上について働きかけや助言を行い、策定の促進と内容の充実強化を図っていく。

A倉本教育長 学校における業務継続計画の策定について。各学校において、大規模災害発生時にあっても適切な業務執行を行うためには、校内に避難所を開設するための応急業務のほか、学校再開に向けて実施すべき業務などの非常時優先業務を実施するための体制整備や、その対応方法などを定めた計画をあらかじめ策定し、万が一に備えておくことが重要。

 直面する感染症をはじめ、多様化する災害に的確に対応するためには、非常時優先業務など、計画を適宜見直ししていくことが必要である。道教委では、研修会等を通じて、時々の情勢を踏まえた見直しのポイントや具体例を広く周知するとともに、一部未策定の市町村立学校等に対し、管内の教育長会議や義務教育指導監による学校訪問などを通じて速やかに策定するよう指導助言するなど、全ての学校が安全・安心な教育環境を確保できるよう努めていく。

◆子の貧困対策

Q滝口議員 知事は、新型コロナウイルス感染症によって、子どもの居場所が奪われる状態が続く中、子どもが孤立することなく、夢と希望を持って成長することができるよう、子どもの居場所づくりにどのような取組をするのか。

A鈴木知事 子どもの居場所づくりについて。新型コロナウイルス感染症の流行が長期化する中、子ども食堂をはじめとする子どもの居場所の多くは、開設時間の短縮やテークアウトによる食事提供、ウェブを活用した学習支援など、様々な工夫をしながら運営が継続されているが、運営者や支援団体からは、食材や資材等の提供、会場の確保や感染予防策に関する情報提供などが必要との意見を伺っている。

 このため、道としては、今後とも、民間団体や企業などからの支援物資のあっせんや運営手法の好事例の紹介に取り組むとともに、休止中の居場所に対する再開に向けた個別相談を行うなど、現場のニーズに即した支援を通じ、子どもたちの健やかな成長に重要な役割を果たす子どもの居場所づくりを積極的に推進し、感染症の影響によって、貧困状態に置かれている子どもや家庭の支援の充実に取り組んでいく。

Q滝口議員 子どもの貧困対策推進計画を策定した市町村数については、179市町村全てで策定する目標に対して45市町村が策定した。

 市町村における貧困対策についての計画の策定は努力義務となっているが、地域に身近な市町村が企業や団体と連携し、子どもの貧困の実態、支援を把握し、実情に即した対応をするためには、地域の状況に応じた計画を策定することが必要と考える。

 市町村における子どもの貧困対策推進計画について、目標である全市町村の策定にどのような取組をするのか。

A京谷少子高齢化対策監 市町村計画の策定について。貧困状態にある子どもを適切な支援につなげるためには、各市町村において貧困対策の視点を様々な施策に反映させるとともに、地域の実情を踏まえた取組を計画的、総合的に進めていくことが必要である。

 このため、道では、これまでも、市町村における子どもの貧困対策計画の意義や記載すべき事項などを示した策定の手引を作成・配布したほか、本庁職員が地域に出向き、策定を働きかけてきた。

 今後、来年度までに計画策定を予定している10市町村に対しては、各振興局が具体的な相談に応じるとともに、検討段階の市町村に対しても、子ども・子育て支援計画との一体的な見直しを助言するなどして、道の第2期子どもの貧困対策推進計画の目標である6年度末時点における全市町村での計画策定に向け、着実に取組を進めていく。

◆幼児教育

Q滝口議員 幼児教育の効果についての各国の研究等において、就学前の教育の質によって、一定の年齢になったときの学力の基本的な到達や年収に関し、違いがみられ、3歳児から4歳児の家庭教育の質に関わらず、就学前の教育の質が数学の成績や自己調整力発達への効果に結果が出されている。

 幼児教育は、生涯にわたって効果があることが実証されていることから、これまで以上に質の高い幼児教育が必要と考える。

 幼児教育を充実し、子どもの学びと成長の環境を整えるためには、幼児教育施設と小学校との連携・接続の推進、質の高い幼児教育が重要と考えるが、知事の見解を伺う。

A鈴木知事 幼児教育の充実について。グローバル化の進展やSociety5・0の到来など、時代の転換期の中で、たくましく、夢や課題に新しい発想で挑戦をしていくためには、子どもの成長段階に応じた質の高い教育を提供することが大切。

 特に、幼児期の教育は生涯にわたる人格形成の基礎を培うものであることから、全ての幼児教育施設で質の高い教育を受けられるよう、道と道教委が一体となって、公立、私立の別や施設種を超えた合同研修などに取り組むほか、幼児教育施設と小学校等の緊密な連携に向け、各振興局や教育局、市町村などが参画する管内ネットワーク会議を活用し、幼小接続に関する課題や先進事例の情報共有を図っている。

 道としては、今後とも、幼児教育の充実に向け、社会全体でその重要性についての理解を一層深めるとともに、人材の育成確保や情報発信など、各種施策の着実な推進に努めていく。

Q滝口議員 幼小接続の取組は、幼児教育施設だけでなく、小学校や市町村の行政機関等の協力が不可欠である。

 多忙な教育現場や自治体等の主体的な取組を促すためには、各地域が必要性や効果を感じられるような施策の展開が必要と考えるが、教育長の見解を伺う。

A倉本教育長 幼児教育の充実に向けた取組について。幼児教育施設と小学校が連携し、一人ひとりの育ちと学びを確実につなぐ幼小接続を充実させることは、子どもたちの発達や学びの連続性を保障する上で重要である。

 道教委では、現在、幼児教育施設と小学校において円滑な連携・接続が図られるよう、幼小連携・接続チェックシートを作成・配布し、その活用を促しているほか、幼児教育施設のみならず、市町村首長部局や教育委員会の職員を対象とした研修を行い、幼小連携の一層の充実を図っている。

 今後は、各地域において、国が示した幼保小の架け橋プログラムに基づき、市町村や福祉等関係機関との連携強化を図ることによって、子どもたち一人ひとりの発達を把握し、早期支援につなげるなど、子どもたちの学びや生活の基盤を育む施策を推進していく。

(道議会 2022-01-31付)

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