道議会質疑 一般質問 3年9月24日
(道議会 2022-01-27付)

【質問者】

▼植村真美議員(自民党・道民会議)

▼鈴木一磨議員(民主・道民連合)

▼佐々木大介議員(自民党・道民会議)

▼檜垣尚子議員(自民党・道民会議)

▼白川祥二議員(北海道結志会)

【答弁者】

▼鈴木直道知事

▼三瓶徹保健福祉部長

▼山﨑雅生経済部観光振興監

▼倉本博史教育長

地域人材育成

Q 植村議員 地域に人材がいないという課題に対して、人材を送り込む機会をつくり出すことを具体的に進めていただきたい。

 高校生や大学生など、若者にチャンスの機会を与え、地域での人材づくりにつなげていく場の創出について、教育長に伺う。

A 倉本教育長 地域の魅力を発信する人材づくりについて。高校生や大学生などの青少年が、本道が有する地域の歴史や文化の魅力を理解し、発信できる機会を設けることは、地域への愛着が高まるとともに、観光資源などとしての活用にも関心を持ち、地域の活性化にもつながるものと認識している。

 道教委では、現在、小・中学校において、地域を知り、自らそのよさを発信できることを目指した北海道ふるさと教育・観光教育等推進事業を実施するとともに、高校では、地域や産業界と連携して観光などをテーマとした探求学習を推進しているほか、青少年体験活動支援施設(ネイパル)の主催事業において、地域の歴史や文化を学ぶ機会を設けることなどに取り組んでいる。

 今後は、特に高校生や大学生などの青年層をターゲットに、市町村と連携を図りながら、北の縄文道民会議や日本遺産推進協議会などの関係団体の協力をいただき、地域の歴史や文化について学び、その魅力を発信する力を身に付けるための場を設けるなどして、地域の歴史や本道の魅力を発信し、将来、ガイドなど、地域振興の一助として活躍できる人材の育成に努めていく。

貸切りバスの事業者支援

Q 鈴木議員 学校の宿泊旅行の貸切りバス運行において、通常は1クラスに1台、40人が基本だが、新型コロナウイルス感染症対策として、車内の密を避けるため、1クラス当たり貸切りバス2台を確保した場合、増台分の経費は、原則、保護者負担となる。

 この負担を軽減する措置として、道は、1台増車分の14万円を補助する教育旅行支援事業を実施しているが、感染症の終息見通しが立たないため、当面、この補助制度を継続するよう、バス事業者や学校関係者などから声が寄せられている。

 依然として観光事業は伸び悩み、不要不急の外出自粛も重なって観光バスの事業経営は厳しく、教育旅行支援事業の継続も含めて、バス事業者に対する今後の支援策についてどのように検討しているのか伺う。

A 山﨑観光振興監 バス事業者への支援について。道では、2年度から、教育旅行支援事業の実施によって、感染症対策として、貸切りバスの増車をする際の経費を支援し、バスの稼働率を上げることで事業者を支援している。

 また、冬季には、日帰りスキー学習で利用するバスの増車についても同様に支援するほか、緊急事態宣言などによって、教育旅行を実施できなかった道内外の学校に対し、晩秋から冬にかけて旅行を実施してもらえるよう、教育旅行の専門誌などを通じて本支援事業の活用と冬季の体験学習メニューについて周知している。

 今後も、道内での教育旅行の魅力を発信しながら本支援事業を継続し、バスの利用を促すことによって、厳しい経営状況にある事業者を支援していく。

教育活動の機会確保

Q 佐々木議員 緊急事態宣言やまん延防止等重点措置による行動制限は、子どもたちの日常活動にも大きな影響が及んでいる。学校現場は、懸命に子どもたちの感染防止対策や学びの継続に努力されており、これらの取組は十分に評価をするところだが、道や道教委が発する要請やメッセージには、子どもたちへの思いや教育活動に関する配慮が足りないと感じている。

 子どもの多彩な能力を育む習い事や少年団活動の機会が失われ、待ち望む修学旅行が実施されるのかさえも分からず、部活動における練習の成果を満足に発揮することもできない。

 子どもたちが置かれている現状に対して、でき得る限りの方法や対応を模索しながら、地域や保護者の理解や、協力につなげていくことも必要と考えるが、児童生徒の教育活動の機会確保に対する知事ならびに教育長の見解を伺う。

A 鈴木知事 教育活動の機会の確保について。学校における感染拡大を抑え、教育活動を継続していくためには、児童生徒や保護者、教育関係者に加え、子どもたちを見守る地域の理解と協力が不可欠である。

 このため、道では、道教委と連携しながら、保健衛生用品等の整備、学校現場への人的支援、オンライン学習の環境整備など、感染症対策や学びの保障に必要な措置を講じるとともに、リーフレットや動画を活用するなどしながら、感染防止対策への理解と協力をお願いしてきた。

 感染症との闘いが長期化し、不安や負担が増している中、私としては、児童生徒や保護者の気持ちに寄り添う心のケアにも取り組むことが重要であると考えている。

 引き続き、道教委や市町村、関係団体などと連携し、総合教育会議などの機会を通じて、地域の理解、協力を呼びかけながら、子どもたちの健康と学びを守ることができるよう力を尽くしていく。

A 倉本教育長 児童生徒の教育機会の確保について。新型コロナウイルス感染症への対応が長期にわたって求められている中、子どもたちは、主体的に感染予防をしながら、感染リスクの高い活動は行わないなどの制約を受けており、心に不安やストレスを抱えているものと受け止めている。

 各学校においては、衛生管理マニュアルを踏まえ、教育活動の一つ一つについて感染症対策を講じながら、全ての教職員が協力して子どもたちの安全と健やかな成長を確認できる環境づくりに努めている。道教委としても、スクール・サポート・スタッフなどを含めた全校体制で感染症を校内で広げない対策を徹底するとともに、PTAや関係団体などの協力のもと、家庭や地域での感染防止のための普及啓発の推進を図るほか、医師会、旅行業者、スポーツ関係団体などと連携して、修学旅行や部活動の大会などにおける感染対策を講じた実施方法の周知などに取り組んでいる。

 今後とも、地域社会や関係団体などの理解と協力を得ながら、児童生徒の思い、不安や要望などにきめ細かに配慮した相談体制を整え、安全・安心な教育活動の機会確保に取り組んでいく。

AYA世代のがん患者支援

Q 檜垣議員 思春期と若年成人世代、いわゆるAYA世代のがん患者の方々は、将来、子どもを持つ可能性のある年代だが、がんの治療が生殖機能に影響を及ぼし、妊孕性が低下する場合もあり得ることは、子どもを持つことを希望する患者にとって大きな課題であり、適切な情報提供や相談支援に加え、高額な自費診療である妊孕性温存療法についての経済的な支援が必要との患者の声も聞いている。

 国の動向として、3年4月から、小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法研究促進事業が開始されたが、こうしたことを踏まえ、AYA世代のがん患者への支援の充実を図るべきと考える。道は今後どのように取り組んでいくのか伺う。

 道がん対策推進計画の中間評価では、家族の悩みや負担を相談できる支援が十分であると感じているがん患者・家族の割合について、道は全国より低いとの調査結果が示されている。

 がんと診断された場合、患者本人はもちろんのこと、家族も、非常に大きな不安や悩み、治療上の疑問を抱くことは当然であり、適切な相談支援や情報提供が必要と考える。道は今後どのように取り組んでいくのか伺う。

A 鈴木知事 AYA世代のがん患者の支援について。思春期と若年成人世代、いわゆるAYA世代の患者にとって、がん治療によって主に卵巣、精巣などの機能に影響を及ぼし、妊娠する力である妊よう性が低下することは大きな悩みとなっている。

 このため、がん診療連携拠点病院等では、患者の希望や状況に応じ、生殖医療を担う医療機関を紹介するなどの取組を行っており、道では、相談支援や関係医療機関の連携体制の充実に努めるほか、自費診療である妊よう性温存療法に対する医療保険の適用を国に要望してきた。

 こうした中、国において、3年4月から、妊孕性温存療法の研究の促進と併せて、患者の経済的負担の軽減を図るため、妊孕性温存療法研究促進事業が開始された。道では、この事業を活用した治療費の助成について検討を進めるほか、がんの治療を行う医療機関と生殖医療を担う医療機関との連携強化を一層図るなどして、AYA世代のがん患者への支援の充実に努めていく。

 小児慢性特定疾病患者への支援について。小児科から、専門ごとに分かれている成人の診療科への移行期において、患者自身が病気への理解を深め、自身の意思で医療を決定できるよう、医療機関から分かりやすく治療方針を説明するとともに、成人したあとも診療科間の十分な連携によって最適な医療などを切れ目なく提供するための体制づくりが重要であると認識している。

 このため、道では、患者や家族からの相談に応じ、医療費助成や児童デイサービスなど、利用できる施策を助言するほか、学校など、関係機関との連絡調整などを行う支援員を配置し、社会的な自立を支えてきている。

 今後は、医療、福祉等の関係者や患者、家族で構成する難病対策協議会において、他県の取組事例も参考とし、移行期における医療従事者間の具体的な連携方法等を協議するなどし、本道における難病患者などへの支援にも努めていく。

A 三瓶保健福祉部長 がん患者や家族への支援について。がんと診断されたとき、多くの患者や家族は衝撃を受け、気持ちが動揺するとともに、治療や療養に伴う疑問や今後の生活に対する不安が生じている。

 このため、道では、患者や家族を支援するため、これまで、ホームページやリーフレットによって、がんの症状および治療に関する情報のほか、がん診療連携拠点病院に設置した相談支援センターや関係団体の相談窓口を知らせるなど、適切な情報提供に努めるとともに、拠点病院と連携し、相談員向けの研修会を開催するなど、患者や家族に対する相談支援体制の構築に取り組んできた。

 今後は、これまでの取組に加えて、主治医から患者へ、相談支援センターにおいて様々な相談に応じていることを初診時に説明していただくなど、より一層、相談窓口の利用促進を図るとともに、患者会などと連携しながらAYA世代のがんについて研修を行うなどして、患者や家族に寄り添った細やかな相談支援や情報提供を受けることのできる環境づくりの充実に努めていく。

高校生の国際交流

Q 檜垣議員 道教委では、2年1月以降、アメリカ・ハワイ州、ニュージーランド、オーストラリア・タスマニア州、ロシア・サンクトペテルブルク市の教育行政機関と覚書を締結し、高校生の国際交流の拡大に取り組んでいると承知している。

 現在は、新型コロナウイルス感染症の影響によって、交流先の国や地域との往来が困難な状況にあることから、ICTを活用したオンライン交流を中心に行っていると聞いている。

 オンライン交流であっても、対面のときと同じようなファミリーとの交流時間や1対1での交流など、双方向での時間が大切と思われる。可能であれば、双方向での授業の受講なども考えていただけると、留学に行ったかのような体験もできるのではないかと考える。

 現在、コロナ禍で先が見通せない中、高校生の国際交流の推進に向け、道教委は今後どのように取組を進めていくのか伺う。

A 倉本教育長 高校生の国際交流について。道教委では、現在、高校生を対象に、カナダ、アメリカ、ニュージーランド、オーストラリア、ロシアなどとの国際交流を行っているが、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響によって、現在、現地との往来が困難であることから、ビデオレターの交換やオンラインによる対話など、ICTを効果的に活用した国際交流を行っている。

 道教委としては、現状において、まずは、こうした方法によって、高校生一人ひとりが海外への興味・関心を高め、国際交流の重要性を理解し、グローバルな視点を持って行動できるようにすることが大切と考えており、ポストコロナにおける実際の交換留学等を見据えながら、ICTを活用した家族を交えた交流、互いの伝統文化の紹介や体験の取組など、創意工夫のある交流活動の充実を図っていく。

全国学力・学習状況調査

Q 檜垣議員 3年度の全国学力・学習状況調査は、新型コロナウイルス感染症による学校教育への影響を踏まえ、2年ぶりに実施された。

 道教委では、調査が実施されなかった前年度も、市町村教委から任意で提出された質問紙調査を取りまとめ、新型コロナウイルス感染症の影響も含め、本道の継続的な課題である子どもたちの生活や学習習慣などの状況を把握するとともに、その改善に向けた取組を学校、地域、家庭と連携しながら取り組んできたものと承知している。

 本年度は、臨時休校をしていた期間における状況についても子どもたちが回答しているが、道教委は、3年度の調査結果から、子どもたちの自己有用感なども含め、どのように受け止めているのか伺う。

A 倉本教育長 全国学力・学習状況調査の結果に関し、3年度の児童生徒質問紙の調査結果について。3年4月から5月にかけて全校一斉に臨時休業していた期間において、勉強について何らかの不安を感じたと回答した割合は、小中学生ともに約6割となっており、また、自己有用感などの項目に関しては、自分にはよいところがあると思うと回答した割合は、小中学生ともに約3割となっている状況である。

 こうしたことから、臨時休業等によって、学習に対する不安やストレスが高まっている中、学級担任や教科担任などによる直接的な指導を受けられず、また、友達と共に学び合うこともなく、自分のよさなどを十分に認識できなかったことなどが自己有用感にも影響しているものと考えており、子どもたちが、学習や生活の場において教員や子どもたちと対話したり、協働したりする関わりが重要であるとあらためて認識している。

Q 檜垣議員 前年度、道教委が独自に集計した調査結果から、子ども一人ひとりへの心のケアやきめ細かな指導が大切であることが明らかとなっている。

 小学生の時期は、周りの友達や先生からの声かけによって自分を認めてもらい、そして、自分の存在に自信を持ち、大きく成長するころだと思う。たとえコロナ禍にあっても、子どもたちの心のケアにも配慮しながら、ICTの活用も含め、子どもたちが安心して学習に取り組める教育の充実が求められる。

 道教委では、コロナ禍における各学校の取組に対してどのように支援していく考えなのか伺う。

A 倉本教育長 コロナ禍における子どもたちの不安の解消について。新型コロナウイルス感染症の拡大という非常時にあっても、子どもたちの健やかな学びを保障するためには、教師と子ども、子どもたち相互の関わりを保ち、信頼関係を基盤として安心して学習できるようにすることが大切であると認識している。

 道内の小・中学校では、臨時休業や出席停止時において、1人1台端末を活用した双方向のオンライン学習によって、自宅から授業に参加できるようにすることはもとより、休み時間や放課後などもつなげることによって、学校生活を共有し、学習や友人との関係への不安解消に有効であったという事例の報告もある。

 今後は、こうした相互の交流を大切にした学びの保障や心のケアに関する好事例を収集し、SNSなども活用して随時発信をするとともに、義務教育指導監や指導主事の学校訪問等を通じて情報提供するなどして、コロナ禍においても、子どもたちが人と関わりながら安心して学習に取り組み、心身ともに健やかに成長できるよう、市町村や学校の取組を支援していく。

いじめ不登校

Q 檜垣議員 いじめ認知件数が年々増加しており、また、旭川市で発生したいじめ重大事態など、いじめの問題は深刻化している。特に、いじめ重大事態については、学校にいじめを訴えたのに対応が遅いことなども要因であるし、学校の相談体制についても、学年が上がるにつれ、先生に相談しなくなるなども考えられる。

 表に出てくるような重大事態は、たくさんのいじめ問題の氷山の一角であると感じる。今も悩み苦しんでいる子どもたちの気持ちを考えると、学校には、児童生徒の訴えをもっと早くキャッチし、迅速な対応につなげていただくことが求められる。

 道教委は、従来のいじめ問題への対応について見直し、いじめへの速やかな対応などに関する新たな取組を展開していく必要があると考える。

 また、子どもたち同士が話し合う時間を持ち、子どもたち自身がどんなことがいじめになるのかという認識を持ち、一人ひとりがいじめに気づくようにすることも必要なのではないか。教育長の所見を伺う。

A 倉本教育長 いじめ問題への対応について。学校では、日ごろから丁寧な児童生徒の理解に努め、子どもたちが発する小さなサインを見逃さず、早期発見、早期解決に向け、組織的に取り組むとともに、全教育活動を通して、子ども一人ひとりにいじめは絶対に許さないという意識を育むことが重要である。

 このため、道教委では、いじめ問題への適切な対応を学校全体で共有した体制づくりを促進するとともに、学校で実施しているいじめアンケートを、今後、1人1台端末等を活用し、子どもたちの訴えをただちに受信できるようにするほか、アンケートや面談以外でも子どもたちがSOSを発信しやすいよう、ウェブ上の相談窓口を開設するなど、新たな取組を展開していく。

 また、いじめのない学校生活の実現には、日常の教育活動において、例えば、自分たちができることを考え、議論する道徳教育や、特別活動による自主的・実践的な活動の充実を図るなど、いじめ根絶に向けて児童生徒が自ら取り組むことが大切であり、市町村教委や校長会などとも連携をし、こうした具体的な取組を推進していく。

Q 檜垣議員 不登校の児童生徒数についても、毎年度、その数が増加していることに加え、前年度以降は、新型コロナウイルス感染症への感染不安を訴え、登校できない児童生徒も相当数いると考えられ、登校できていない児童生徒への心のケアが必要である。

 登校できない子どもたちには、これまで学校で実践していたスクールカウンセラーによるカウンセリングは難しいので、不安や悩みを受け止めてくれる相談体制が従来の対応に加え必要になる。

 例えば、学校と保護者との情報共有はもとより、子どもたちへの1人1台端末で、誰もが相談できる形の居場所づくりも必要になってくると考える。教育長の所見を伺う。

A 倉本教育長 不登校児童生徒等への対応について。様々な不安や悩みを抱える子どもたちの心に寄り添い、きめ細かく対応するためには、学級担任や養護教諭、スクールカウンセラーなどによる教育相談を学校内で日常的に面談形式で実施することはもとより、学校と家庭をオンラインで結んだ形式で実施するなど、切れ目のない多様な相談体制を構築することが重要である。

 このため、道教委では、1人1台端末などを活用し、学級担任らが感染不安などによって登校できない子どもにオンラインで面談するなど、心のケアに努め、効果を上げている学校での実践成果を広く普及するとともに、スクールカウンセラーによるオンライン教育相談が全ての学校で適切に実施できるようガイドラインを整備し、ICTを効果的に活用した教育相談の一層の普及に努めるなど、学校と子どもたちや保護者の不安な心をつなぎ、子どもたちの安定した心の居場所づくりが図られるよう取り組んでいく。

知事公邸等の在り方

Q 檜垣議員 知事公邸や知事公館があるエリアは、札幌市内の中心部にありながら、約2400本の樹木が生息するなど、豊かな緑に囲まれ、さらに、このエリアの北側には三岸好太郎美術館、隣接する西側には近代美術館があるなど、豊かな自然とともに、静ひつな空間として道民に親しまれている。

 今後、公邸等の在り方を検討していくに当たっては、こうした環境を損なうことのないよう、十分に時間をかけて丁寧に進める必要があると考える。知事公邸等の在り方に関する研究会からの報告を受けて、道は今後どのような考えで検討を進めていくのか伺う。

A 鈴木知事 知事公邸等の在り方について。知事公邸等のあり方に関する研究会からは、知事公邸や知事公館、周辺環境への配慮などについて、様々な意見や今後の取組課題をいただいた。

 知事公邸等が所在するエリアは、長い歴史の中で文化と自然が融合して築き上げられ、大切に守られてきた大変魅力のある場所であることから、その将来像を見据え、道民の貴重な財産を次世代へ確実に引き継いでいくといった観点に立って検討を進めていく必要があると認識している。

 このため、道としては、研究会からいただいた意見や課題を踏まえ、道議会はもとより、道民、民間事業者などから幅広く意見、提案を伺うとともに、緑地の維持保全や周辺環境とのつながりにも配慮しながら、エリア全体の価値を高められるよう、関係部局が連携し、丁寧に検討を進めていく。

学校図書館

Q 白川議員 司書教諭は、学校図書館法で12学級以上の学校に配置が義務づけられているが、義務のない11学級以下をみると、道内で配置している学校数の割合は、小・中学校で1割程度、高校で2割程度にとどまっている。

 一方、学校司書は、努力義務で、道内の配置校数の割合は、小学校で3割、中学校で2割、高校で1割未満、両方ともいない学校は、小学校と高校で約半数、中学校では6割にものぼっている。

 道教委として、学校図書館における専門的知識を持つ担当者の配置の考えやコロナ禍におけるICTの積極的活用についての所見を伺う。

A 倉本教育長 学校図書館の利活用について。学校図書館は、児童生徒の読書活動や読書指導を支える場であるとともに、情報の収集・選択・活用能力を育成する情報センターの機能を有しており、専門的知識を持つ司書教諭や学校司書の役割は重要である。

 道教委では、司書教諭については、有資格者を積極的に採用するほか、定期人事異動において、学校図書館法等で定める基準該当校に有資格者を優先的に配置するとともに、学校司書については、公立図書館との連携なども含めた配置の働きかけや司書としてのスキルを高めるための研修会などを実施することとしている。

 また、学校図書館の効果的・効率的な利活用を一層進めるためには、ICTの機能の積極的な活用が大切であることから、ICTを活用した学校図書館運営の効果的な事例を示し、学校での実践を促している。

 道教委としては、こうした取組を通して、各学校の学校図書館運営の充実を図り、児童生徒一人ひとりが自ら課題を見つけ、解決したり、先人の考え方に触れて心を豊かにしたりできる学びが実現できるよう努めていく。

(道議会 2022-01-27付)

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