網走市教委 学校力向上地域協議会 地域経営の視点を持ち 4重点の成果と課題共有
(市町村 2022-02-02付)

網走市第5回学校力地域協議会
網走小など各指定校をオンラインでつないだ

 【網走発】網走市教委は1月26日、オンラインで学校力向上に関する総合実践事業第5回地域協議会を開いた。中核校の網走小学校をはじめ、各指定校の校長、教頭、主幹教諭、教務主任などが出席。組織力、授業改善など4つの重点に基づく本年度の取組について振り返り、成果と課題を共有した。

 道教委の学校力向上に関する総合実践事業で、市では網走小を中核校、潮見小学校、南小学校、第一中学校、第三中学校を指定校として地域指定を受け、組織力、授業改善、人材育成、働き方改革の4つの重点に基づき、連携した取組を進めている。

 はじめに、当初、今回の会場校となる予定だった南小が4つの重点に関する取組を説明。

 組織力に関しては、学校改善ロードマップを作成し、課題や進ちょく状況などを見える化。学校運営参画意識の向上などにつなげていることを示した。

 人材育成に関しては、「初任者もベテランもみんなで高め合う」をモットーとしている。各学年の学級担任など、初任者とベテランを意図的に組み合わせることで、日常的な話し合いや打ち合わせなどで互いに学び合う機会を創出していることを伝えた。そのほか、初任者が悩みを書き込みベテランが回答する「お悩み回覧」、初任者向け通信の発行などの取組を示した。

 授業改善については、「いつでも 誰でも」をキーワードに、クロームブックの効果的な活用、個別最適な学びと協働的な学びの授業構造の取組を紹介した。

 働き方改革については、アクションプランを作成し、意義や目的などを共有していることを示した。

 説明後、オンラインで南小の全学級の授業を公開した。

 続いて、網走小の吉田昌広校長が本年度の地域指定の取組を振り返った。

 ①年5回の地域協議会の開催②学校間交流③指定校から市内各校への普及―の主に3点に取り組んだことを説明。

 さらに、本年度はロードマップを作成。また、オホーツク教育局、管内校長会、管内教育委員会協議会教育長部会が進める管内学力向上支援事業「オールオホーツクで学力向上を〓」との関連を図るなど、年間を見通して充実した取組となることを目指した。

 ②では、網走小の専科教員による音楽科の巡回指導を実施。指導方法の工夫が各学校で共有されたことなどを示した。働き方改革の観点からも、学級担任の空き時間が増え、授業準備などに充てることができたという成果を報告した。

 小中連携の取組として、教育課程の接続についても紹介。校務分掌に位置付けた連携組織の立ち上げなど、「“なんとなく接続している”ではなく、連携の全体像を共通理解し、組織的に進めたい」とした。

 ③では、市教委、市学力向上推進委員会主催の学力向上フォーラムin網走で、各校の教員や保護者、地域住民に取組内容を発表したこと、学校力通信の発行などの取組を報告した。

 「これからも、市の学校改善に寄与するような取組を進めていきたい」と締めくくった。

 このあと、本年度の成果と課題について各学校ごとに協議。社会に開かれた教育課程の実現に向けた学校改善、働き方改革の実施の観点から取組状況などを交流した。

 オホーツク教育局の冨田直樹義務教育指導監は、地域経営の視点を取り入れた学校経営、各種取組における資質・能力と戦略の明確化・共有について助言。

 持続可能な学校経営に向けて、「地学協働」がキーワードとなることを示し、「校長は、各市町村の地域の未来像を把握し、地域を巻き込んで学校の応援団をつくる“地域経営”の視点を持って学校経営に取り組むことが大事」などと述べた。

 市教委の小路谷勝巳学校教育部次長は「各学校がそれぞれの歴史や個性を発揮しつつ、4つの重点を手段として学校教育目標の実現に向かっており、ベクトルをそろえた学校運営が行われていると感じる。地域経営の視点を取り入れていく上でも大きなアドバンテージになるのでは」と評価した。

(市町村 2022-02-02付)

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