附属函館中 授業力向上研究セミナー 記録に残し学びを深化 端末の効果的活用事例発表(学校 2022-02-15付)
放送大学の中川教授による講演も行われた
【函館発】道教育大学附属函館中学校(中村吉秀校長)は10日、授業力向上研究セミナーをオンライン開催した。渡島・檜山管内の小・中学校、特別支援学校の教員ら約30人が参加。附属函館中の郡司直孝教諭と道教育大学附属釧路義務教育学校の赤本純基教諭が、1人1台端末を活用した自校の効果的な実践事例を発表。講演では、放送大学の中川一史教授がデジタル教科書の効果的な活用方法について国内の事例をもとに解説した。
実践交流では、郡司教諭と赤本教諭が自校の取組を紹介した。
郡司教諭は、附属函館中が平成27年から先駆的に開始したBYODによる1人1台端末の活用における成果と課題への対応について説明した。
うち、職員の研修については職員同士による情報交換や、これまでの経験を起点とした研修を立案。カリキュラム内外や校務での活用を積極的に推進している事例を共有した。
生徒指導などトラブルへの対応として、ホームページのブラックリストとホワイトリストの設定や検索履歴など、一定の管理制限を教職員が設定していることを紹介。生徒同士がやり取りするファイルは、授業者が共有していることを説明した。
郡司教諭はトラブルへの対応について、「端末の活用ルールは、生徒と課題を考えるチャンス。これまで見えていなかった問題が可視化できたことで、学びの機会が広がった」と述べた。
保護者への理解促進における取組では、丁寧な説明と活用実績の紹介の2点の重要性を強調した。
赤本教諭は、附属釧路義務教育学校後期課程のICT端末を活用した授業実践を伝えた。
音楽科ではリコーダーの練習動画を提出させたり、美術科では制作過程を記録に残したりすることで、学びの深化につなげているとした。また、社会科におけるチャートを使った授業実践や、数学科では互いに問題を作成し合う授業実践を紹介した。
続いて、中川教授が「GIGAスクール構想に向けた実践と課題」と題して講演。1人1台端末を効果的に活用している国内の事例として、各教科の授業場面を紹介した。
うち、国語では詩の創作活動において、映像と文字を合わせた「フォトポエム」など、映像と言葉を掛け合わせた独創的な授業内容を紹介した。
デジタル教科書の可能性についても解説。外国籍や障がいのある児童生徒など「特別な配慮を必要とする生徒に教科書をカスタマイズできる効果がある」と強調した。
色分け機能によって事実と考えを読み分け、調査の筋道をたどることができるほか、端末との同期によって友人の進ちょくが確認できるなどの効果を挙げ、「読む教科書から書く・共有する教科書へと、活用の幅が広がっている」などと伝えた。
参加者はチャット機能を活用し、各校におけるデジタル教科書の効果や課題について随時質問や意見を寄せていた。
(学校 2022-02-15付)
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