実践的農業経営を学習 美幌高 起業家教育で合同会社 生徒が生産から税務処理まで関与
(学校 2022-02-04付)

美幌高合同会社生徒
経営に関わる生徒たち

 【網走発】美幌高校(伊與部明校長)は、起業家教育の一環として、農業生産やサービスを提供する合同会社を設立した。農産物の生産・販売から会計、税務処理までを生徒が一貫して関わることで、より実践的な経営を学ぶ機会を創出。卒業後の農業生産法人や会社設立への意欲を高め、地域の担い手として活躍することなどを期待している。すでに登記を完了しており、本年度末から新年度にかけて活動を本格化させる見通しだ。

 農業科設置校の同校では、農産物の生産・販売など農業経営について学ぶ機会が設定されている。

 こうした中、同校農業クラブの専門部として本年度立ち上がったアグリビジネス部の生徒11人は、利益や税金の流れなど「より実践的な体験機会をつくりたい」と起業に動き出した。

 本年度から5年度までの3ヵ年の取組を計画し、全国農業協同組合中央会などが主催する第5回全国高校生農業アクション大賞に応募。3年間の支援が受けられる15グループの1つに認定され、支援金20万円を受け取った。

 支援金を資本金と設立費用に充て、農業を取り巻く環境およびオホーツクの文化に即した農業生産やサービスを提供する合同会社アグリロテートを設立。同校を本店に昨年11月22日付で登記した。道教委によると、学校を拠点に高校生が起業する例は道内でも珍しいという。

 コーポレートメッセージは、「まぜる・まもる・まわす」。

 まぜるでは、農業を含む第一次産業が連携できるプラットフォームを構築し、食料生産の効率化や地域産業の強靱化を図る。

 まもるでは、かつて林業科で活用していた実習林を整備し、育林する。併せて、伐木した材木からまきを生産し販売する。

 まわすでは、循環型農業生産から、豊かな土壌環境を創造するとともに、持続可能な生産物の販売を手がける。

 具体的な事業内容は、①農産物の生産および販売②学校林の整備および林産物の生産、加工販売③農産物などを活用した試食会・体験会などの企画型グリーンツーリズムの販売④一次産業の担い手や資材機材の共有化プラットフォームの構築―など。

 これらの取組を通して、持続的な農業生産に貢献するとともに、農業関連産業を含む「一次産業全体が笑顔になる」継続企業を目標に掲げている。

 代表社員として、美幌商工会議所専務・報徳会(同校農業クラブOB会)会長を務める横山清美氏が就任したほか、公認会計士や税理士などの関係機関とも連携。生徒たちは、専門家から助言を受けながら、実践的に事業の企画・運営、税務処理などについて学んでいく。

 社長を務める2年生の新岡晴翔さんは「企画したイベントなどを通して、地域の人々に学校でどんなことをやっているか知ってもらいたい」と意気込みを語った。

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美幌高合同会社
設立した合同会社のロゴ(クリックすると拡大表示されます)

(学校 2022-02-04付)

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