道教委が学力・体力向上推進会議 生活習慣定着へ小中一貫 体育調査 正確な実施法周知(道・道教委 2022-03-01付)
道教委は2月21日、学力・体力向上推進会議をオンラインで開催した。市町村教委や校長会、道教育大学の関係者が参加し、本道児童生徒の学力・体力の現状や課題、今後の取組を協議。小中一貫による学習習慣・運動習慣の定着、主体的な学びにつなげる授業後の振り返りの充実の必要性が指摘された。
会議は、学力・体力の向上や望ましい生活習慣等の確立に向けた取組について共通理解を図るとともに、今後の施策の改善・充実に役立てることがねらい。
オンラインで都市教委連、町村教委連、札幌市教委、道小学校長会、道中学校長会、道教育大など関係者7人が参加した。
開会に当たり、中澤美明学校教育局指導担当局長があいさつ。全国学力・学習状況等調査の中学校の平均正答率が全国平均に近づいた要因に家庭学習の時間の増加を挙げ、学習・生活・運動習慣の定着に向けた家庭・地域・関係機関との一層の連携が必要とし、きたんのない意見を求めた。
道教委から本年度全国学力・学習状況等調査、全国体力・運動能力、運動習慣等調査結果の概要を説明したあと、児童生徒の学力・体力の向上、生活習慣の定着に向けた取組などについて意見交換。
学校関係者からは、コロナ禍で子どものスクリーンタイムの増加や肥満化などの影響が現れているとし、体力向上に向けた授業改善や運動習慣の定着、朝体育の実施など学校の実践を伝えた。
札幌市教委の相沢克明学校教育部長は、運動習慣のある子どもとない子どもの二極化を課題として挙げ、来年度から授業の充実とともに、全小・中学校で運動機会を積極的に創出する取組を進める考えを示した。
都市教委連の副会長を務める美唄市教委の天野政俊教育長は、来年度から地域おこし協力隊を学校に派遣し、授業の外部講師や部活動の指導など学校・地域間の協力体制の構築を図る考えを表明。
町村教委連の本庄幸賢会長は、小中連携による取組の実効性を高めるため、目的を明確にした小中一貫の重要性にふれ、予算や人員配置など取組の推進に向けた支援を求めた。
道教育大学旭川校の山中謙司准教授は「学校におけるPDCAサイクルの構築が進む一方、質問紙調査では児童生徒・学校で意識のかい離が生じている」と指摘。やみくもに学習時間を増やすのではなく、授業の振り返りの場面を充実することで課題意識を明確化し、主体的な学習につなげる重要性を説いた。
道教育大学札幌校の中島寿宏准教授は、道内で体力が向上している地域の共通点として「体育の授業改善」「授業以外で体を動かしたくなる仕掛けや工夫」「教員同士のネットワークの構築」を挙げ、「レクリエーションとしての楽しさではなく、目標を明確にした学習としての位置づけを強めることが必要」と指摘。実技調査では正確な方法で測定していない学校もあることから、十分な周知が必要とした。
(道・道教委 2022-03-01付)
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