鈴木知事が道政執行方針説明 虐待防止やDV対策推進 ユースプランナー制度創設
(道・道教委 2022-03-01付)

 道の鈴木直道知事は2月25日、1定道議会で4年度道政執行方針を説明した。新型コロナウイルス感染症への対応やポストコロナに向けた挑戦を基本方針に、心労による児童虐待・DV等への対策推進や、大学生など若い世代の意見を子育て政策に反映させる“ユースプランナー”制度創設等に取り組む考えを示した。

 重点政策は、①道民の命と暮らしを守る感染症に強い安全安心な地域づくり②本道の強みを活かした先進的な取組への挑戦―の2つを柱とした。

 教育関係では、コロナ禍での不安や心労を抱えた人々に対し「SNSを活用した相談体制の充実を図るとともに、児童虐待やDV・性暴力の被害者の方々に対する相談・支援に取り組む」と述べた。

 児童生徒の学びの保障については「学習指導員やスクール・サポート・スタッフを配置するとともに、分散授業やオンライン学習など、ICTのさらなる活用に向けた環境整備を行う」との考えを示した。

 頻発・激甚化する災害については「高校生防災サミットなどの実施によって若者をはじめ道民の防災意識の向上を図る」とした。

 健全な成長につながる豊かな社会環境づくりに向けては「大学生など若い世代の感性や意見を子育て政策に反映させるためのユースプランナー制度を創設する」ことを表明。また、不妊治療への助成やひとり親家庭への支援の充実、医療的ケア児支援センターの設置によって「安心して子どもを産み育てられる環境を整備する」と述べた。

 さらに、道ケアラー条例を制定し、ケアラーの早期発見に向けた普及啓発や、潜在化しやすいヤングケアラーの実態把握などの取組を進め「地域全体でケアラーを支える社会の実現を目指す」との考えを示した。

 世界文化遺産に登録された北海道・北東北の縄文遺跡群については「価値を国内外に発信するとともに、オンライン教材の開発などによってつぎの世代を担う人材の育成に取り組む」と述べた。また「ウポポイをはじめとするアイヌ関連施設を有効に活用し、アイヌ文化を広く伝えるとともに、アイヌの人たちの誇りが尊重される共生社会の実現を目指す」とした。

 スポーツについては「障がいのある人をはじめ、誰もが身近にスポーツに親しむ環境づくりに取り組む」と表明。インターネットやSNSについては「ネット上の差別や偏見、誹謗中傷などの人権侵害が問題となっている」とし、昨年7月に改定した道人権施策推進基本方針に基づき「多様な存在を認め、支え合う社会づくりを目指す」との考えを示した。

(道・道教委 2022-03-01付)

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