十勝局 第2回人材育成会議 挑戦する子の意欲育む 村上局長 担い手育成へ決意
(道・道教委 2022-03-14付)

十勝局 第2回人材育成会議

挑戦する子の意欲育む

 【帯広発】十勝教育局は2月下旬、第2回十勝人材育成会議をオンライン開催した。教育関係者や地域の関係機関職員ら12人が参加。高校生の職業観を育む学習・十勝版デュアルシステムなど、将来の担い手育成を目指した取組の充実に向けて議論を深めた。

 産学官の連携体制を構築し、管内の児童生徒の地域への誇りや愛着を育み、将来の担い手意識の向上に向けた取組を充実させることが目的。

 村上由佳局長があいさつ。関係機関等の協力に感謝し「変化の激しい社会では求められる能力も刻々と変わり続ける。幅広い分野から新たな学びを得て挑戦する子どもたちの意欲を育みたい」と述べた。

 続いて、髙橋一宙主査(地学協働)が、学校での座学と企業等実習を組み合わせた十勝版デュアルシステムや動画教材等の作成など、本年度の活動を報告。各取組に対する学校や生徒の感想を踏まえ、成果と課題を伝えた。

 このあと①十勝版デュアルシステムの拡充②管内児童生徒の地域の担い手意識を高める取組の推進―の2点をテーマに協議。協力機関からは「他教科の授業進度と特別講義の内容を合わせたい」「生徒による取組の成果を校内で蓄積し、動画教材と連動させてみては」「職業観の育成には家庭教育も重要なため、保護者が見学可能な実習や講義も効果的では」などの意見が挙がり「今後も協力したい」という声が多かった。

 十勝教育局は、十勝総合振興局と共同した独自の企業等実習制度・十勝版デュアルシステム、十勝の産業や人材等を題材とした動画教材の作成における成果と課題をまとめた。

 活動の趣旨や内容、成果と課題はつぎのとおり。

【十勝版デュアルシステム】

▼趣旨

 学校での座学と企業での実習(年間10~15回程度)を組み合わせた学習を展開し、生徒に実践的な知識や技能、勤労観・職業観等を育成する。

▼内容

▽専門学科の高校

・実施日=3年9月6~10日

・受入先=広尾町森林組合

・参加者=帯広農業高校森林科学科の希望生徒1人

・ねらい=林業に携わる者として合理的・創造的に解決する力の育成、林業の振興等に主体的・協働的に取り組む態度の育成

・内容=素材生産実習、育成実習

・成果=学校での学びから実感を伴った理解につなげ、就労意欲を高めることができた

・課題=農業高校以外の高校で実施し、成果や課題を検証する。専門学科の高校における工夫例などの参考資料を作成し、導入促進に向けた取組を推進する

▽普通科の高校

・実施日=3年12月4日

・受入先=帯広畜産大学

・参加者=帯広三条高校で科目「生物基礎」を受講する希望生徒4人

・ねらい=生態系保全の重要性理解、自然環境の保全に寄与する態度の育成

・内容=野生生物と人間生活との関わりを講義

・成果=大学教授による講義によって学校で学んだことをより深く理解でき、学習意欲を高めることができた

・課題=管理職や教務主任等に対して同制度のねらいなどを周知する。普通科の高校における工夫例などの参考資料を作成し、導入促進に向けた取組を推進する

▽冬季休業における取組

・実施日=4年1月6~13日

・受入先=①宮坂建設工業=(建設・建築)②=十勝スローフード、公益財団法人十勝財団(ものづくり)③社会福祉法人幕別真幸協会、帯広大谷短期大学(介護・医療)

・参加者=帯広工業高校、芽室高校、池田高校、足寄高校の希望生徒5人

・ねらい=実践的で高度な知識・技術の習得と勤労観・職業観の育成

・内容=各事業所で専門知識の習得や高度な技術を体験

・成果=学校での学習内容が企業で活用されていることを知り、学習意欲や進路意識を高めることができた

・課題=生徒の幅広い進路希望に対応するために、受入先の拡充や実習内容の充実が必要

【動画教材の作成】

▼趣旨

 小・中学校における社会科、道徳科、特別活動などで動画教材を活用し、地域産業の特色、地域の発展を支える人々の工夫や努力などを理解させ、ふるさとへの誇りや愛着を育む。

▽成果=地域の主な産業を題材とし、働く人たちのインタビューを多く取り上げ、活用場面等を想定して編集したことで効果的な活用につながった

▽課題=実践の成果や効果的な活用方法を示した指導資料を作成し、積極的な活用を促す

(道・道教委 2022-03-14付)

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