札幌市教委 4年度教育方針 各所管事項⑦ 教職員負担軽減へ取組推進 主幹教諭拡大、学校事務共同実施など
(札幌市 2022-03-16付)

【教職員の人事・服務③】

▼教職員の負担軽減―教職員担当部

 各園・学校において、新型コロナウイルス感染症拡大防止のための様々な取組に協力をいただいていることに感謝を申し上げる。

 各園・学校における対応の難しさの一方、感染症対応はこれまで積み上げてきた業務の在り方や教育活動を見直す一つのきっかけにもなっていると考えている。

 この機に見直した事柄については、感染状況が落ち着いたからといって単純に元に戻すのではなく、その必要性などを勘案した上で判断いただけると幸いである。

 3年度には業務分散に向けたイントラ端末の増設、働き方改革に関する表彰制度の実施、2次元バーコードを用いた新たな出退勤管理システムの導入等に取り組んできた。

 4年度には文部科学省による「働き方改革に関する勤務実態状況調査」が予定されていることから、市におけるこれまでの取組を継続していくとともに、4年度以降、給食費の公会計化や地域部活動への移行等、国が示した大きな変革に向けて、子どもや各園・学校にとってプラスとなるよう検討を重ねていく。

 各園・学校においても、引き続き、教職員の負担軽減に向けた取組に協力いただきくようお願いする。

▽学校としての体制の強化

 1点目は主幹教諭の配置拡大について。

 主幹教諭は学校マネジメント力強化や教職員に対する指導助言、校内研修の実施などの役割を担い、学校全体の指導力向上に効果的であることから、小・中学校における主幹教諭の配置を順次拡大していく予定。

 2点目は、学校事務職員の共同実施組織について。

 現在、一人職種の課題を克服するため、小・中学校において学校事務の共同実施を展開しており、この取組を推進することで学校経営への一層の参画や、事務職員不在時の組織的な支援体制の構築といった成果が期待できると考えている。

 今後も共同実施の取組の意義や将来的な効果をご理解いただき、事務職員が共同実施に取り組みやすい環境整備への協力をお願いする。

 このほかにも部活動指導員をはじめとした外部人材の活用等の取組を継続し、学校としての組織力向上を図ることで、教職員の負担軽減につなげていく。

▼その他の課題―教職員担当部

 定期監査における不適正事務の指摘については、マニュアルの活用やチェック体制の見直しなどによって防ぐことができるもの。何より公金を取り扱う職員がその責任の重大さを認識し、制度の理解を深めることが重要。

 ほかにも健診の結果を受けて再検査等を勧めるなどの働きかけを管理職からどのくらい行っているか、ストレスチェックの受検率が上がらない学校では管理職からどのような声かけが必要かといった内容についても、重症化予防につながる健康管理のアプローチの一つ。さらに人事上の課題として、近年、管理職昇任の受検者が減少していることも大きな課題。教育委員会としても、管理職の負担軽減など管理職を目指しやすい環境づくりを進めているが、各園・学校においても、キャリアステージに応じた意識づけ、意欲づけを含めた指導助言をお願いしたい。

 以上、人事・服務に関する課題について、管理職の適切な教職員への管理運営、指導助言をあらためてお願いする。

(札幌市 2022-03-16付)

その他の記事( 札幌市)

新設区分で成果 今後も検証分析

 今後の市立高校教員の採用の在り方について質疑が行われた。  市教委の三戸部文彦教職員担当部長は、市立高校教員の採用について「本年度新たに設けた中学校高等学校区分によって一定の成果があった...

(2022-03-17)  全て読む

全力の3年間 誇りに 札幌市立中97校が卒業式 1万4625人巣立つ

向陵中学卒業式(6.8×9.8)  札幌市立中学校97校で15日、一斉に卒業式が挙行され、1万4625人が希望を胸に母校を巣立った。314人が卒業した向陵中学校(中村邦彦校長)では、中村校長が「新型コロナウイルスの影響で想像...

(2022-03-16)  全て読む

管理職や中堅対象 研修行い早期発見

 若手教職員の健康と職場環境に関する質疑が行われた。  2年度の精神疾患による30日以上の連続休務・休職者は92人。このうち20代は21人で、年代別では最も高い割合を占めている。  三戸...

(2022-03-16)  全て読む

年数異なる教員で 学び合う方法実施

 教員研修に関する質疑が行われた。  三戸部教職員担当部長は、コロナ禍における教員研修の現状について「感染拡大防止のため、集合形式からオンラインなどに変更した。オンライン研修では、動画視聴...

(2022-03-16)  全て読む

支援充実へ加配 全教職員研修も

 特別支援学級の配置基準見直しに関する質疑が行われた。  市は4年度の教職員定数を64人増員した一方、特別支援学級の配置基準見直しによって、特別支援学級の教員は22人の減員となった。  ...

(2022-03-16)  全て読む

開校準備で協議会 学校づくりを検討

 義務教育学校の設置に向けた取組について質疑が行われた。  市は9年間の連続性のある教育を実現し、子どもの知・徳・体の調和の取れた育ちの一層の充実を図ることを目的に4年4月から全ての小・中...

(2022-03-16)  全て読む

ニーズ応える 学習環境を整備 

 公立夜間中学「札幌市立星友館中学校」における学びに困りのある人への支援について質疑が行われた。  市教委は、昨年3月に策定した基本方針に基づき、4月に道内初の公立夜間中学として星友館中を...

(2022-03-16)  全て読む

札幌藻岩高と札幌啓北商高の統合校 普通科と商業専門科設置 札幌市教委 1学年8学級に

 札幌市教委の相沢克明学校教育部長は、9年度に予定されている市立札幌藻岩高校と市立札幌啓北商業高校の統合校について、普通科と商業の専門学科を設置すると説明し、両校のこれまでの取組・実践を継承...

(2022-03-15)  全て読む

札幌市教委 4年度教育方針 各所管事項⑥ インクルーシブ加配新設等 特別支援教育全体の底上げを

【教職員の人事・服務②】 ▼個々の教育的ニーズに応じた特別支援学級等の体制―教職員担当部 ▽特別支援学級の配置基準の見直し等  特別支援学級の開設率の上昇や、特別な教育的支援を要する児...

(2022-03-15)  全て読む

札幌青葉中特支学級 SDGs活動 プロの技をできる喜び ヤマト運輸職員が講話等

青葉中・SDGs活動  札幌市立青葉中学校(小林直人校長)の特別支援学級は、作業学習の一環でSDGs活動を取り入れた学習活動を行っている。7日には、ヤマト運輸(株)厚別営業所から武田吉史所長ら3人を招き、琴の梱包...

(2022-03-15)  全て読む