道 第8回ケアラー支援有識者会議 子と窓口つなぐ人員配置 4年度の施策・予算示す
(道・道教委 2022-04-06付)

 道は3月29日に開いた第8回北海道ケアラー支援有識者会議で、4年度の具体的な施策および予算を示した。支援が必要なヤングケアラーやその家族を適切な窓口につなげるため、市町村等と調整を行う「ヤングケアラーコーディネーター」を4年度から時限的に配置するほか、支援が必要な生徒の在籍校にスクールカウンセラー(SC)およびスクールソーシャルワーカー(SSW)を重点的に派遣する。

 会議には構成員12人らが参加。事務局が1日から施行となった道ケアラー支援条例の内容や4年度の道の施策と予算、ケアラー支援の主体となる各市町村の支援体制づくりの視点などについて説明した。

 ヤングケアラーについては、支援の視点として、表面化しにくいことから早期に発見し支援につなげること、本人から支援を求めやすい環境づくりを進めること、発見後は、適切なサービスにつながるようケース会議等によって関係機関が情報共有することなどを示した。

 体制づくりについては、市町村が、学校が把握した子どもの状況(情報)を市町村に提供するためのつなぎ先(担当部署・担当者)を定め学校等にあらかじめ周知することなどを求めた。

 4年度のケアラー関係の施策および予算はつぎのとおり。

【ケアラー全般】

▼普及啓発

▽啓発資料の作成=698万円―ポスター、リーフレット、ステッカー(15×10㌢ほどのシール)を作成の上、市町村、社協、相談支援機関、学校、医療機関やコンビニ、スーパー等に配布し、条例の主旨等を広く周知

▽シンポジウムの開催=87万円―ケアラー支援への理解を深めるためのシンポジウムを開催(年1回、札幌開催+ネット放映)

▽多様な媒体による広報=道のウェブサイト、ツイッター、包括連携協定による企業の協力

▼相談支援体制

▽関係機関職員向け研修=1147万円―ケアラーからの相談に応じる職員を育成するため、14振興局で分野別(高齢・障がい・地域福祉)に、市町村、社協、相談支援機関、民生委員、医療従事者などを対象とした研修会を開催

▼地域づくり

▽市町村へのアドバイザー派遣=264万円―市町村におけるケアラー支援体制の構築に向けた助言、会議等への参加、連携強化のための研修開催、住民向けの講演による地域づくりの推進等を目的としたアドバイザーの派遣

【ヤングケアラー】

▼相談支援体制

▽児童福祉関係職員研修=134万円―管内の関係者(市町村、福祉関係者等)に対して、普及啓発や早期発見を目的とした研修会を開催する

▽ヤングケアラーコーディネーターの配置=812万円―教育機関等の関係機関や地域住民などからのヤングケアラーに関する連絡等を受け、ヤングケアラーやその家族を適切なサービスを行う窓口につなげるため、市町村などと連絡調整を図る。必要に応じて、関係者に支援にかかる技術的助言・指導を行う

▽SC・SSW派遣の重点化=630万円―支援が必要な生徒の在籍校に、スクールカウンセラーおよびソーシャルワーカーを重点的に派遣。学校要請に応じた派遣のほか、道教委判断によるアウトリーチ型支援も実施

▼地域づくり

▽相談窓口の設置・オンラインサロンの開設=624万円―ヤングケアラーに関する相談窓口を設置。精神的な負担軽減を図ることを目的に、当事者同士で悩みや経験を共有できる交流の場をオンライン会議ツール等を用いて実施する

▽小・大学生の実態調査=160万円―小、大学生の実態調査を実施(中高生は3年度実施済)

▽連絡協議会の設置=22万円―ヤングケアラー支援について、有識者によるセミナーや関係者による協議等を通じて理解を深め、地域における連携した取組を推進(構成SC・SSW・市町村教委・道教委・児相・保福等)

(道・道教委 2022-04-06付)

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